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顎が折れた時の対応 ─緊急時の対応③

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは。
院長の荒内です。
桜が散り始めでとてもきれいですね。

さて、第3回は、顎が折れた時の対応について説明させていただきます。

できるだけ早く受診する

顎骨には、上顎骨と下顎骨があります。
双方の顎骨に歯が生えている部分(歯槽骨)と顔の形態を作っている部分(骨体)があります。
顎骨骨折は、歯槽骨骨折と骨体骨折に分類されます。
歯槽骨骨折は上顎前歯部に、骨体骨折は下顎前歯部、犬歯部、下顎角部、関節突起部に発生します。
一般的に、歯槽骨骨折の方が、骨体骨折より重症度が低いと言われています。
いずれの骨折も受傷後できるだけ早く受診する事が大事です。

顎骨骨折の具体的な治療

では、顎骨骨折の具体的な治療について説明します。
顎骨が骨折すると、折れた骨が筋肉に引っ張られて、本来の位置からずれてしまいます。
すると、上下の歯がかみ合わなくなって食事ができなくなってしまいます。
この状態を咬合不全とか、咬合異常といいます。
治療をしないで放置すると、その位置で固まってしまうか、癒合しないでいつまでも骨がぶらぶらした状態が続きます。
つまり、顎骨を骨折すると、食べられなくなってしまいます。
足の骨を折ると歩けなくなるのと同じです。
咀嚼も咬合もできなくなってしまいます。
上下の歯の噛み合わせはとても精密で、髪の毛一本でもずれてると違和感を覚えます。

歯槽骨骨折の治療

歯槽骨骨折の治療は、折れた骨を徒手整復し、折れていない骨に歯列矯正用の装置や金属線などを使って固定します。
歯の脱落や脱臼がある場合は、同じように健全歯(脱臼していない歯)に固定して脱臼した歯や再植した歯を本来の位置に維持します。
前歯数本分の歯槽骨骨折なら、開業されている知覚の診療所でも、口腔外科を標榜しているところなら治療してもらえるかもしれません。
もし治療ができないときは、「一番近い病院」を紹介してもらってください。
早ければ早いほど、予後が良好になります。

骨体骨折の治療

次に骨体骨折についてお話します。
骨体骨折の治療には、入院が必要です。
折れた骨の偏移(ずれ)が少ないときは、上下の歯列に固定装置を装着します。
始めはゴムで牽引します。
咬合関係が整復されたら、顎間固定を4-6週間行います。
一方、骨折片の偏移が大きいときや、2か所以上骨折しているとき、あついは、粉砕骨折や骨折してから時間が経って変形治癒したケースでは、全身麻酔が必要です。
全身麻酔下で「観血的整復固定術」が行われます。
最近では、ほとんどの施設(病院や診療所)で、口内法で金属ミニプレートによる固定が行われています。
口外法と違い、術後、早い時期から咀嚼できますし、顔に切開線が残ることもありません。
上顎骨折では、頬骨や頭蓋底骨折などの思い副的損傷を合併していることがあるので、慎重な検査が必要です。
もし、眼球運動障害や意識障害、あるいは隋駅漏などの障害が認められる場合は、脳神経外科による治療が優先される時があります。

受傷時の応急処置は、圧迫による止血が大事です。
さらに病院までの移動時、頭から下顎までをタオルや包帯で固定し、少しでも和らげることも重要です。

次回は、「魚の骨が刺さった時」の治療についてお話する予定です。
次回もご覧いただければと思います。

院長:荒内