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    成人期の抜歯・麻酔Ⅴ

    著者:デンタルオフィス湊

    こんにちは。お盆休みのお知らせです。

    8月19日~8月23日までお盆休みで休診とさせていただきます。

    ただし、急患の場合はいつでも診させて頂きます。ご来院前に、必ず電話を頂けますようお願い致します。

    今回は熱田のコラムとなります。前回からの続きとなります。

    「成人期の抜歯・麻酔Ⅴ」

    4、麻酔の注射で身体に異常は起きませんか?

    麻酔の注射によって起こる身体の異常に①現在かかっている内科的病気の病状悪化、②過度の緊張や体調不良の際に起こりやすい不安症状、③局所麻酔によるアレルギー反応と中毒症状、があります。

    たとえば、高血圧症や狭心症・心筋梗塞のある方は、注射という行為に対する緊張で血圧や脈拍が大きく変動したり、狭心症や心筋梗塞の急性発作を起こすことがあります。いつも飲んでいるお薬と局所麻酔薬の相互作用で、血圧が異常に上がったり、逆に下がったりすることもあります。

    健康な方でも過度の緊張や体調不良時に行うことで、血圧が下がり吐き気やめまいが生じたり、過換気症(息が荒くなり口や手足が痺れて来ます。)が起こりやすくなります。

    局所麻酔薬にアレルギー反応を示す方もいます。局所麻酔薬を大量に注射したり、誤って血管内に注射すると中毒が起きて全身に異常が見られます。

    いずれも頻度としては少ないですが、場合によっては生命を脅かすこともありますので、麻酔の注射で身体に異常が見られた経験のある方、内科的な病気のある方は、歯科医師に事前にお話しください。飲んでいるお薬の内容が、いつでも分かるようにしていることも大切です。

    5、全身麻酔で歯の治療を受けることは出来ますか?

    全身麻酔で歯の治療を受けることは出来ます。ただし、全身麻酔を行うには特別な設備

    と全身麻酔を行える歯科医師か医師が必要ですから、その診療所は限られてきます。その意味では、必ずしも一般的ななものとは言えません。

    歯科恐怖症(歯、科治療に強い恐怖心のある方)、歯科治療に非協力な方、障害児(者)で身体の動きが自身で調節できない方など、全身麻酔で意識の無い間に歯の治療を行います。条件が揃えば日帰りでの治療が行えます。

    適応は一概に言えないので、情報を知りたい方は歯科大学や歯学部付属病院の歯科麻酔科、総合病院の歯科・口腔外科、あるいはかかりつけの歯科医師にご相談ください。

    6、知らないあいだに歯を抜いて貰ったと聞いたことがありますが・・・。

    「恐ろしい歯科治療が、全くわからない間に終わってしまう・・・。」

    なんと素晴らしい事でしょう。そんな夢物語のような方法が、実はあるんです。

    一つは皆さんご存知の全身麻酔です。「全身麻酔なんて恐ろしい。」と言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在では、歯科口腔外科の手術ばかりでなく、治療椅子に座っただけで意識が遠のくような歯科恐怖症の方や、治療器具を口の中に入れただけで吐き気をもよおすような方、その他、さまざまな障害のある方に対する歯科治療でも広く全身麻酔が行われています。歯科治療のための全身麻酔は、治療時間にもよりますが、日帰りで行うことが可能であり、翌日から普段どおりに仕事ができます。

    前述しましたが、もう一つは精神鎮静法という方法です。低濃度の亜酸化窒素(笑気ガス)を吸う吸入鎮静法と、鎮静薬などを静注する静脈内鎮静法とがあり、いずれも意識を失うことなく歯科治療中の恐怖や不安が軽減します。後者は前者に比べて治療中の事を忘れる健忘効果が強力です。

    全身麻酔や静脈内鎮静法は、専門的なトレーニングを積んだ、歯科医師が行うのが安全です。歯学部付属病院にはこのような診療を行う歯科麻酔専門医や歯科麻酔認定医が勤務する歯科麻酔科が設置されていますのでご相談ください。

    7、笑気吸入法とはどんな方法ですか?

    低濃度の笑気を吸入することより、患者さんは意識を消失する事ことなく高揚感、多幸感を感じることができます。笑気吸入鎮静法は、この効果を利用します。

    笑気吸入鎮静法の対象となる人は、歯科治療に対して緊張感や局所麻酔注射に恐怖心を持つ人などです。30%程度の濃度の笑気を酸素と共に鼻マスクから吸入します。手足は僅かに暖かく、力の抜けた感じとなり、緊張や恐怖心が取れ、楽に歯科治療を受けることができるようになります。痛みは取れませんので、痛みを伴う処置では局所麻酔の注射が必要となります。

    笑気吸入鎮静法には専用の機器が必要となりますので、受診の際に歯科医院でお尋ねください。

    8、静脈内鎮静法とはどんな方法ですか?

    歯科治療の音や痛みは不快に感じることも多く、一度経験すると歯科治療を進んで受けたい思う人は少ないでしょう。このため歯科治療時の緊張により、脳貧血や過呼吸発作を起こすことがあります。また、高齢の方や全身的な病気をもった身体に負担がかかTり、急激な血圧の変化や狭心症など重篤な状態となることもあります。

    静脈内鎮静法は意識を無くす事なく、歯科治療への不安や恐怖心を軽減し、精神的に落ち着いた状態で歯科治療を受けることができるようにする方法です。比較的大きな処置となる親知らず(智歯)の抜歯や口腔インプラント治療など、対象となる患者さんは増えています。

    なお、一般に意識下鎮静法と呼ばれ、意識の無い状態となる深鎮静法と分けて考えます。

    患者さんは血圧、脈拍や呼吸のモニターが行われ、点滴から投与された精神安定剤(ジアゼパム、ミタゾラム、フルニトラゼパム)や静脈麻酔薬(プロポフォール=卵アレルギー―の人は禁忌、フェンタニル)により、   気分が楽になり、歯科治療への恐怖心が取れ、意識のあるリラックスした状態で治療を受けられます。また、薬の効果で治療中の記憶が残らないこともあります。痛みを取ることは出来ませんので、歯の神経を取ったり、歯を抜いたりする時には局所麻酔の注射が必要です。

    効果は30~40分間持続します。終了後、ふらつきや眠気を感じる場合がありますので,30~60分程度安静を取り帰宅します。静脈内鎮静法を受けた当日は車の運転は出来ません。妊婦、使用薬剤にアレルギーのある方や全身状態によっては受けることができません。

    静脈内鎮静法による歯科治療は歯科大学病院や病院歯科のほか、リラックス歯科治療を行っている歯科医院でも受けることができます。

    深鎮静法は治療内容や患者さんの状態によって薬の種類や量、速度を調節しながら投与して意識の無い状態とする方法でより全身麻酔に近い状態となりますので、歯科大学病院や日本歯科麻酔学会認定歯科麻酔専門医のいる施設でご相談ください。