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皮膚疾患と口腔粘膜疾患の関係 ─全身疾患と歯科治療⑪

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは。
院長の荒内です。
今回は皮膚疾患と口腔粘膜疾患の関係についてお話させていただきます。

口腔内の粘膜に現れる疾患には、2種類あります。
1つは、口腔内に独自にみられる疾患です。
2つ目は全身の症状の1つとして現れる疾患です。

口腔粘膜に独自に生じる疾患

第一に口腔粘膜に独自に生じる疾患についてですが、単純な炎症からがんまで、極めてたくさんあります。
粘膜が白くなるもの、黒くなるもの、赤くなるもの、紫になるもの、また膨隆するものや、水疱を作るもの、潰瘍を作るもの、あるいは、アフタと呼ばれる口内炎まで、極めて多彩です。

全身の症状の1つとして現れる疾患

第二に、全身疾患の1つの症状として、口腔粘膜に現れる主な疾患を挙げておきます。

1.単純疱疹
2.帯状疱疹
3.水痘(水ぼうそう)
4.麻疹(はしか)
5.手足口病
6.猩紅熱
7.ジフテリア
8.多型滲出性紅斑
9.紅斑性狼瘡
10.天然痘
11.結核
12.梅毒
13.ベーチェット病
14.シェーグレン症候群
15.貧血
16.エイズ
17.白血病
18.悪性リンパ腫
19.悪性黒色腫

全身疾患の1つの症状としての疾患と、口腔内に限局する疾患との区別が困難なものも多いので、注意が必要です。
口内炎とは、口腔粘膜、舌、歯肉にできた炎症性病変の総称です。
局所の病像や原因は多岐にわたります。
もっとも多いのは、再発性アフタ性口内炎ですが、除外診断により、原因不明のものに対する病名です。
診療時には、口腔内症状のほかに全身の随伴症状や、全身疾患があれば、必ず伝えるようにしてください。
また、職業による環境要因や使用中の薬、あるいは合わない薬があれば、医師に伝えてください。
嚥下痛のある時は、脱水症状に気を付けなければなりません。
軽症で限局的な病変であっても、2週間以上経っても改善しないときは、医科の受診が必要です。
改善しない口内炎で疑われる主な疾患としては、エイズや梅毒等の性感染症、肺結核、ベーチェット病が挙げられます。

湿性壊疽性口内炎

また、湿性壊疽性口内炎は、生命に関わる全身疾患の1つの症状として口腔内に現れることがあるので、絶対に見逃すことのないように、歯科医師は常に念頭に置いておく必要があります。
急性疾患としては

①多型滲出性紅斑
②尋常性天疱瘡
③白血病
④顆粒球減少症

などが挙げられます。

ヘルペスについて

最後にヘルペスについて説明致します。
単純ヘルペスウィルスによって生じるもので、Ⅰ型とⅡ型があります。
水疱からどちらの型であるかは区別はつきません。
患部の接触や唾液によって感染します。
ウィルスは神経節の中に生涯棲みつづけます。
そして、発熱、紫外線、ストレス、疲労、性交などの刺激や免疫の低下によって症状を再発させます。
この疾患は、Ⅰ型もⅡ型も病変部に水疱(水ぶくれ)ができるのが特徴です。
このウィルスによって引き起こされる主な疾患は

①口唇ヘルペス
②性器ヘルペス
③ヘルペス性ひょう疽
④ヘルペス性口内炎
⑤角膜ヘルペス
⑥カポジ水痘様発疹症
⑦汎発性疱疹
⑧新生児ヘルペス

などが挙げられます。
症状は、初発型では性器や顔面に「かゆみ」や「痛み」が生じ、その後、たくさんの水疱ができます。
口腔内の場合は、多数のびらん(ただれ)ができて痛みます。
高熱とリンパ節の腫れもみられます。
再発型の症状は、口唇、口囲、性器の一部に、たくさんの小さな水疱ができ、破れたあとにかさぶたになるのがほとんどです。
それまでは、痛痒さが続きます。
Ⅰ型は口唇を中心に、Ⅱ型は性器を中心に再発を繰り返します。
目の周りにできたものが角膜に及ぶと、涙がでて痛みます。
また、アトピー性皮膚炎の人が感染すると、広範囲に病変が広がることがあります。
これを、カポジ水痘様発疹症といいます。

ヘルペスの検査は、病変部の組織を塗った標本に、単一抗体(モノクローナル抗体)を反応させ、ウィルスの型を判定します。
初めての感染では、抗体価の変動が重要になります。
治療は、軽症の場合、抗ウィルス薬(アシクロビルやビダラビンなど)の外用を塗ります。中等度では、抗ウィルス薬(アシクロビル)を内服します。重症の場合は、抗ウィルス薬の点滴を行います。
代表的な薬剤名を列挙しておきます。

①抗ウィルス剤:ゾビラックス、バルトレックス、アシクロビル、ビダラビン
②消炎鎮痛剤:ロキソニン、ブルフェン、ソランタール
③漢方製剤:柴苓湯、越脾加求湯、牛車腎気丸

投薬時の注意点もお知らせしておきます。
ニューロキノン系抗菌剤を非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)を併用すると、けいれんが起こりやすくなります。
帯状疱疹では、NSAIDsを飲んでいることが多いので、ニューロキノン径の抗菌剤の使用には注意が必要です。

長くなりましたが、少し詳しく説明させていただきました。
口内炎が治りにくいと感じられたときは、早めに受診してください。
上記のようにいろいろなケースがあります。
早めに来院していただくことによって、早期に適切な治療を開始することができます。

院長:荒内