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    学齢期の歯と口

    著者:デンタルオフィス湊

    こんにちは。緊急事態宣言は解除されました。3密を避けて、感染予防に努めながら新たな生活を模索していくことになるようです。新入生もようやく学校に行けることになりました。早く皆と心おきなく遊べるように、ワクチンや特効薬が出来ることを願わずにはいられません。

    今回は院長先生のコラムです。

     

    第58回です。今回は「学齢期の歯と口」についてお話をさせて頂きます。

    1、歯の交換機とその順序

     ①乳歯の萌出時期

    乳歯の歯種はA,B,C,D,Eで表します。永久歯は、1~8の数字で表します。

    乳歯は生後8ヶ月頃から下のAが2本萌し、約3才までに生え揃います。

    男女差は殆どありません。

    上顎も下顎もA,B,C,D,Eの順に生えて来ます。

    上・下顎の萌出の順番はA⏉A →A⏊A →B⏊B →B⏉B →D⏊D→D⏉D→C⏊C→C⏉C→E⏉E→E⏊Eです。

    歯が生えることを萠出と言います。ヒトは二生歯性と言われ、乳歯(脱落歯とも言います。)の20本が永久歯(第二性生歯、代生歯、後継歯とも言います。)に1回だけ生えかわります。3歳くらいから6才くらいまでは乳歯列と言います。およそ6才から、大人の歯いわゆる永久歯生えてきます。まず乳歯の1番奥のEの後ろに下顎の第1大臼歯(6才臼歯とも言われます。)が萠出することで混合歯列が始まります。第1大臼歯から親知らずの第3大臼歯までは、乳歯とは生えかわりません。乳歯が生えかわるのは5番までです。乳歯の総数は、上・下各10本ずつで合計20本です。永久歯は、親不知を除いて、上・下各14本ずつで合計28本が正常です。親不知は、ある人と無い人がいますので、通常、永久歯の総数は28本にしています。親不知が4本ある人は、28本プラス4本で32本となります。

    ②永久歯の萌出の順番

    1、下顎第1大臼歯(6⏉6)

    2、上顎第1大臼歯(6⏊6)

    3、下顎中切歯(1⏉1)

    4、上顎中切歯(1⏊1)

    5、下顎側切歯(2⏉2)

    6、上顎側切歯(2⏊2)

    7、下顎犬歯(3⏉3)

    8、下顎第1小臼歯(4⏉4)

    9、上顎第1小臼歯(4⏊4)

    10、上顎犬歯(3⏊3)

    11、下顎第2小臼歯(5⏉5)

    12、上顎第2小臼歯(5⏊5)

    13、下顎第2大臼歯(7⏉7)

    14、上顎第2大臼歯(7⏊7)

    小さい乳歯切歯から大きな永久歯へと生え換わりますから、上下顎の歯列は、前方と側方に大きく成長します。しかし、もしこの成長が不十分な時は、絵永久歯の前歯が前後に重なったりします。これは、不正咬合(噛み合わせの異常)の1つで、「叢生」と言います。又前歯の生え換わる時に、上顎の中切歯が「ㇵの字」のように、左右の中切歯が離開した状態で生えてくることがあります。これを「正中離開」と言います。この時期を「醜いアヒルの子時期」と呼んでいます。骨の中に過剰歯や歯牙腫等の異常が無ければ、或いは、上唇しょうたいが中切歯と中切歯の間にくい込んだり、肥厚していなければ、歯列が乱れることはありませんので、そのまま放置しておいて下さい。

    次に臼歯の交換についてお話します。乳犬歯(C)、第1及び第2乳臼歯(D,E)から永久歯の犬歯(3)、第1及び第2小臼歯(4,5)への交換期を「側方歯群交換機」と言います。この時期は、乳歯と永久歯が混在していますから「混合歯列期」といいます。日本人では、平均9才から12までが「混合歯列期」にあたります。

    生え換わる順番は、下顎犬歯(3⏉3)→上顎第1小臼歯(4⏊4)→下顎第1小臼歯(4⏉4)→上顎犬歯(3⏊3)→上顎第2小臼歯(5⏊5)→下顎第2小臼歯(5⏉5)→下顎第2大臼歯(7⏉7)→上顎第2大臼歯(7⏊7)の順に生え換わります。

    小臼歯だけ上顎が先に萠出し、その他の歯は全部下顎が先に萠出します。日本人の場合、約12才~13歳頃に第2大臼歯生えて、永久歯列が完成します。しかし個人差がありますので、大きなずれが無い限り問題はありません。心配な方は、かかりつけの歯科医院でご相談ください。

    「側方歯群交換期」」についてのお話をしたいと思います。

    剃側方歯群が交換期をむかえる頃には、前歯部と第1大臼歯がすでに生え終わっています。つまり側方歯群が生える為のスペースが、ある程度、限定されています。永久歯の生えるスペースが少ないと当然歯列が乱れてしまいます。

    そこで、スムーズな歯の交換が出来るように、人の歯列には「リーウェイスペース」と呼ばれる調整機構が備わっています。これは、乳歯から永久歯が生えかわる時に必要なスペースを確保する為の機構です。乳犬歯(C)、第1乳臼歯(D)、第2乳臼歯(E)の近遠心幅径(横の長さ)の、総和と、それえらの後の生えて来る永久犬歯(3)、大1小臼歯(4)、第2小臼歯(5)の近遠心幅径の総和との差のことをリーウェイスペースと言います。乳歯の総和が永久歯の総和より上顎で約1mm、下顎で約3mm長いです。この差によって大臼歯の噛み合わせを安定させたり、前歯部での歯の重なり状態を緩和したり、又歯並びや噛み合わせ全般の調整が可能となります。しかし、虫歯や外傷等によって、早期に乳臼歯の歯冠部が崩壊したり、早期に抜けたりすると、永久歯が移動します。すると折角、確保されていたリーウェイスペースが消失し、後継永久歯の生えるスペースが不足し、不正咬合の原因になります。

    2、大人の歯列(永久歯列)の完成と噛み合わせ

    永久歯列は、第2大臼歯(7番)が萠出し、上下左右の第2大臼歯が噛み合う事で完成します。前述しましたように、乳切歯列から混合歯列を経て、永久歯列へと劇的な変化をします。

    正しい永久歯の噛み合わせを得る為に、最も重要な時期と言えます。永久歯列の噛み合わせは、顔に個人差があるように、それぞれ個人差があります。これは虫歯等による不正咬合を除けば、多分に遺伝的要因の影響を受けているからだと考えられます。不正咬合については、後程、お話します。

    ここでは、正しい咬合についてお話します。

    正しい噛み合わせとは、各個人に適した最良の噛み合わせと言っても過言ではありません。正しい噛み合わせは、形と共に機能的にも十分高い能力を発揮できるものでなくてはいけません。

    通常上下の歯は一番前と奥の歯を除いて、1歯対2歯の関係で互いに噛み合い、下の歯が半歯分前で噛み合っています。これによって、顎がスムーズに横に動き咀嚼し易いようになっています。

    より良く咀嚼できる要件としては、

    • 額の骨が正しい形で成長すること
    • 歯の大きさと形が調和していること
    • 上下の歯が正しく噛み合い、かつ隣り合う歯と正しく接触していること
    • 歯を支えている組織が健康であること
    • 顎を支えている筋肉が正しく成長し、機能していること
    • 顎関節が正しい形をしていて、正しく機能していること

     

    今回はここで終わりたいと思います。

    次回、第59回は「学齢期の歯と口の状態」の続きをお話させて頂きます。