電話番号

歯を抜いたあとの治療について②

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは、歯科医の熱田です。
前回、どのような状態で歯を抜いたのか?という事を書きました。
今回はその続きです。
少し専門的な部分がありますので、詳しくはご来院時に質問していただければと思います。

前回の補足を少ししますと

1、 歯の部分が虫歯で崩壊した場合(歯の根だけが残った状態)
こういう場合、歯がなくなり、根だけになった部分に食べ物の残りかすが溜まりやすくなります。
残った根の部分の周りに残りかすを溜めっぱなしにしておくと、根をしっかり支えている周りの骨が破壊されてしまいます。
土台となっている骨がなくなり、歯肉にだけ根がついて残っている例もあります。
この場合は抜く時期を誤ったと言えるでしょう。
抜いた後、そこだけ骨がない状態なので、大きく陥没したようになってしまいます。

2、 歯周病で既に周りの骨が破壊されている場合
骨が全体的に水平に破壊されている場合や、歯並びが悪く清掃の仕方に偏りがあり、破壊の仕方が部分部分によって水平的だったり、垂直的だったりする場合があります。
歯周病は慢性的に進行し痛みを伴いません。
手入れを怠っているうちに周りの骨がどんどん崩壊し、土台を失った歯がぐらぐらして来たり、咬む力に耐えられず痛みを感じたり、歯肉が炎症を起こして歯肉が腫れたりと自覚症状が出てきて初めて気が付く方もいます。
それでもなお抜きたくないと我慢していると歯槽骨(歯が植わっている骨)は更に破壊されていくのです。

歯を抜いた後の治療

では、歯を抜いた後の治療について少し詳しくご説明させていただきます。

1、 義歯
前にもお話ししましたが、取り外しのできる俗にいう入れ歯の事です。
部分入れ歯は残りの歯に金具をかけて歯の無い部分を支えてもらう物です。
入れ歯が沈み込まないように金具を掛ける歯にストッパーになる部分を削ったり(しかし歯を削る量は少ないです。)、咬み合う対合の歯にあたらないように義歯を削ったりして形を作ったりします。
そうした準備が出来てから型を採ります。
歯槽骨の破壊が進んでいると、それを補うために、義歯の厚みは大きくなります。
義歯の厚みが大きくなると違和感も大きくなります。
また総入れ歯の場合、歯を抜いた部分の骨が土手のようにしっかり残っている方(歯茎の土手)が、安定が良いのです。
義歯は食事をしたら汚れますので、お口から外して綺麗に洗って清潔に保ちます。
また、金具のかかる歯や入れ歯に接している歯には特に食べ物の残りかすが着きやすいので、義歯以外の歯もしっかりブラッシングをします。

2、ブリッジ
歯の無い部分を残りの歯で負担するのは義歯と同じですが、こちらは固定式で外すことはできません。
また基本的には、歯の無い部分の両隣にしっかりした健康な歯が無くては出来ません。
支えになる隣の歯がしっかりした歯槽骨に植わっていないと歯の無い部分を支えられないのです(例えば、具合の悪い人の両隣りに健康な人が肩を貸している状態に似ています)。
抜いた歯の種類(前歯か奥歯など)や本数によって何本の歯で支えればよいのかが決まります。
最初に少しお話ししましたが、歯が無い部分の骨が破壊され、大きくえぐれた様になっているとそれを塞ぐために形の悪い歯にしなければならなくなってしまいます。
両隣の歯を一部あるいは全部削って、歯の無い部分とつながった詰め物や被せるものを作り、セメントで接着して固定します。
歯と歯の間が繋がったものですので、普通の歯ブラシだけでは清掃できません。
歯間ブラシによる清掃を付け加えます。

3、インプラント
インプラントは上下ともに、歯を支えている骨が厚みと密度がしっかりしていないと打てません。
頭蓋骨には、上の歯が植わっている骨の上、目の下から頬にかけて上顎洞という空洞があります。
イメージしにくいかもしれませんが、小臼歯から大臼歯にかけてすぐ上に上顎洞があるので、歯の根と上顎洞の距離が近くなっています(上顎洞に根が突き出ている場合もあります)。
そこの歯槽骨の厚さが無いとインプラントを植える事が出来ません。
下の顎の下縁(手で触って形を顎の確認できる部分、輪郭)に沿っては、下顎管という血管と下歯槽神経があります。
下の歯も、下顎管との位置の関係で、歯槽骨の厚みが無いとインプラントは植える事は出来ません。
インプラントを出来る骨の厚みを知るためにCTスキャンを撮って調べる事にしています。
また、歯周病にかかって歯槽骨の密度が低い骨にはやはりインプラントを打てない事があります。
インプラントを植えた後のお手入れは歯がある場合と同様に、お口の中の清掃が長く使えるかの鍵を握っています。
清掃を怠ると、インプラントも自然歯と同じようなダメージを受け、歯槽骨が破壊されて無くなっていきます。

義歯、ブリッジ、インプラントどの治療をしたとしてもそれを長く使えるようにするのはブラッシングが大事なのです。
以上が歯を抜いた後の治療法です。
コラムで判らなかったところは、お気軽に聞いていただきたいと思います。
模型やレントゲンを用いてわかりやすくご説明いたします。

歯科医師:熱田