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親知らずのトラブルと抜歯(歯科医師より)

著者:デンタルオフィス湊

今年は長梅雨になるとの予想のようです。
今はまだそう高温ではありませんが、湿度は随分と上がってきました。
私などはこうなると、汗が噴き出てきて、その状態でエアコンの効いた電車や建物の中に移動し体が冷えて風邪をひきやすくなります。
皆様もくれぐれも体調の崩れにご用心ください。
今回は、親知らず(第三大臼歯又は智歯とも言います)の抜歯についたお話ししたいと思います。
現代日本人は顔が細くなり、鰓の張っている人が少なくなってきています。
つまり顎が小さくなってきて、親知らずの生えるスペースが無くなっているのです。
たとえ生えていても口の一番奥で入れが行き届かない場所であるために色々なトラブルを起こします。
どんなトラブルを起こすかをご説明させていただきます。

生えている場合

1 虫歯や歯周病になりやすい
先にも書きましたが、口の一番奥に位置しているために歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病になりやすいのです。
歯列から外れて生えた場合は、更に歯磨きは困難になります。

2 処置がしにくい
口の中は奥に行くほど狭くなっていますので、治療する器具が入りにくく、動かすスペースも無いため充分な治療が出来にくくなります。

3 手前の歯にも影響が及ぶ
親知らずが不衛生になれば、接している手前の第二大臼歯にもそれは及び、虫歯や歯周病になりやすくなります。

4 対合する部位にも影響を及ぼす
上下どちらか一方が生えている場合、対する歯肉に歯が食い込んで歯肉に傷がつき、痛むことがあります。
また、歯列から外れてほっぺたの方に生えた場合は、頬の粘膜を傷つけて痛くなることもあります。

5 口臭の原因に
歯磨きが行き届かないと、常に食べ物のカスが残っているために口臭の元となってしまいます。

生えてはいないが一部がのぞいている場合

こういう状況をご自身では気付いていない場合もあり、更に不衛生な状態を放置してしまうことになります。
例え気付いたとしても、歯ブラシで歯肉を傷つける可能性があり、炎症を起こしやすくなりなす。
こういう場合はエックス線撮影で親知らずの状態を調べる必要があります。

1 手前の歯に斜めに引っかかり、影響を及ぼす
もう正常に生えてくることはありません。
不衛生な状態は手前の歯に影響を及ぼして、虫歯してしまう可能性が高いです。
また、斜めになった状態でも親知らずは出てこようとして手前の歯を押し続け、歯列不正を起こす原因にもなります。

2 骨にも影響を及ぼす
少し出ている歯の部分に汚れが溜まると、細菌が繁殖し、それが歯と歯肉の境目から顎の骨のほうにまで入り込んで繁殖します。
そして歯肉や骨に炎症を起こします。
これを智歯周囲炎と言います。
歯肉に痛みや腫れを起こし、口が開きにくくなったりします。
薬で一時的に炎症を抑える事は出来ますが、原因が取り除かれたわけではありませんので、これを繰り返します。
酷くなると、顔や耳にまで炎症が広がり物を飲み込むことが困難になります。

3 首や肩こりの原因になる
特に下の親知らずは、顎関節や顎の中の神経にも近いため、炎症や交合異常が首や肩のコリの原因になっていることがあります。

全く生えてこない場合

1 手前の歯に影響を及ぼす
口全体のエックス線撮影をしてみた場合に発見されるのですが、手前の歯の根に接していて力を加えて根を吸収してしまう場合があります。

2 親知らずの周りに腫瘍が出来る
まれなケースですが、放っておくと大変です。
発見されずに放置すると腫瘍がどんどん大きくなり骨が空洞化していく危険があります。
こうなったら入院して手術をすることになります。

以上が親知らずが引き起こす主なトラブルです。
親知らずは普通の歯より退化傾向にあるため、特に根の形態が複雑な形になり、骨に引っ掛かり抜きにくい場合が多いです。
根が完全にできる前に抜くことが抜歯を軽くすることにつながりますので、十代のうちに抜くことが出来ればベストと言えます。

☆女性が結婚前(妊娠前)に親知らずを抜歯しておく事の重要性

勿論、結婚前(妊娠前)に虫歯の治療もしっかり終えておく事が前提です。
妊娠すると、つわりや食事の回数が増えて歯磨き十分にできない状態になったりします。
また、ホルモンバランスが変わり歯肉が腫れやすくなったりします。
そんな時にもし親知らずや虫歯が痛くなったら大変です。

1 妊娠四ヶ月を過ぎた安定期に入るまでX線撮影も麻酔も抜歯もできない
胎児への影響を考え、エックス線撮影、麻酔ができず、抜歯ができません。
という事はきちんとした治療が出来ないという事です。

2 胎児への影響を考えて使えない薬がある
親知らずが痛いのを我慢して、治療ができる期日になるのを待たなければなりません。

3 出産しても薬は制限される
母乳に出てくる薬の量は僅かで、影響は少ないとされていますが、それでも心配な方は痛みに耐えながら授乳中は薬を服用する事を避けるそうです。

以上のように、妊娠中の親知らずの抜歯や歯の治療は胎児への影響を考慮しなければならず、また、歯科医院に通う事も大変です。
出来れば親知らずは、結婚前に抜歯しておく事をお勧めいたします。

歯科医師:熱田