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膠原病と歯科治療 ─全身疾患と歯科治療⑨

著者:デンタルオフィス湊

今回はこのシリーズの第9回です。
膠原病(こうげんびょう)と歯科治療について、お話しさせて頂きます。
膠原病とは、臓器の形を作る結合組織に病変が起こる疾患の総称をいいます。
1942年にポール・クレンペラー(病理学者)が提唱しました。
国が指定している難病です。
①リウマチ熱、②多発性動脈炎(結節性動脈炎)、③全身性エリテマトーデス(SLE)、④強皮症(PSS)、⑤皮膚筋炎、⑥リウマチ様関節炎(慢性関節リウマチ)の6疾患が指定されています。

① リウマチ熱

のどにA群β溶連菌が繰り返し感染したり、主に乳歯の根尖病巣から膿が骨を突き抜けて、歯肉の真下に長い間たまったままの状態が続くと発症します。
学童期にかかることが多い病気です。
口の中の細菌を歯ブラシやフロス、歯間ブラシ、うがい薬等で、できる限り除去することが大切です。

② 多発性動脈炎(結節性動脈周囲炎)

子どもから高齢者まで、全ての年齢で発病します。
男女比は1:2です。
筋炎が見られる場合は、特に下肢から症状が出ますので、通院が極めて困難になります。

③ 全身性エリテマトーデス(SLE)

びらん性口内炎を起こすことがあります。

④ 強皮症

強皮症は皮膚の硬化が進行する病気で、口の周囲の皮膚の伸展がなくなります。
口を開けることが障害され、奥歯の治療が困難になります。
また、飲み込みが障害されたり、歯根膜腔が拡大したり、舌の突出が困難になったりします。

⑤ 皮膚筋炎

皮膚筋炎では、骨格筋の障害から、四肢脱力や嚥下障害が起きます。

⑥ リウマチ様関節炎(慢性関節リウマチ)

手足に症状が出ることが多いため、歯磨きが不十分になり、むし歯や歯周病になりやすくなります。
また、膝関節に症状が出ると、通院が困難になります。
さらに、顎関節に発症すると、開口障害が起こります。
慢性関節リウマチ自体が早期でも、顎関節に発症すると、憎悪期には強い開口障害が現れます。
ステロイド剤で症状を緩和できますが、長期投与の場合、感染症に注意が必要です。
もし顎関節が大きく破壊されると、下の顎が後退し、上下の歯の噛み合わせが奥歯だけになってしまい、前歯は接触しなくなって独特の顔貌になります。
顎や頭に付着している筋肉も痛むようになります。
顎(首)の関節の症状が進行したケースでは、亜脱臼のため、突然死を引き起こした例もあります。
対策としては、歯磨きによるむし歯予防、むし歯等の早期治療、入れ歯による適切な噛み合わせの維持、筋肉痛への理学療法等が挙げられます。

今回のコラムは以上ですが、慢性関節リウマチに関しては、改めてもう少し詳しくご説明したいと思います。

院長:荒内