電話番号

ブラッシング(歯科医師より)②

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは。
歯科医師の熱田です。
昨日は夏日でしたが、今日は涼しくなりましたね。
急な温度変化で体調を崩しやすくなりますので、どうぞお気を付け下さい。

では主なブラッシング方法をご紹介していきたいと思います。

(1)スクラッビング法

歯ブラシの毛先を歯面に直角にあてて近遠心的に数ミリ動かして刷掃する方法です。
裏側は歯軸に45度の角度でブラシを当ててください。
いずれの場合も歯肉溝(歯と歯肉の境目の溝)内には毛先は入れず歯肉の辺縁に沿ってブラシを動かしてください。
この方法は現在基本となっているブラッシング方法です。

(2)横磨き

歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て、近遠心的に大きく動かして刷掃する方法です。
力を入れすぎたり、研磨剤の多い歯磨き剤と併用すると歯の表面を削っていき、くさび上の欠損を作りやすくなるので気を付けてください。

(3)縦磨き

上下の顎を閉じて歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て上下に運動させる方法です。
歯を噛み合わせると上の歯が下の歯に被さるようになるのが普通ですので、この磨き方では上の歯は良いとしても、下の歯は殆ど歯ブラシが当たらない状況になります。
ですから下の歯は口を少し開いて同様に磨きます。
又力を入れすぎて行うと歯肉の擦過傷や退縮を起こしてしまいます。

(3)(4)の力の入れ加減がわからない方は、前回のコラムブラッシング(歯科医師より)①を参考になさってください。
ご来院予定の方は、遠慮なさらずお聞きになってください。

(4)フォーンズ法

描円法とも呼ばれます。
表側を清掃する方法です。
歯ブラシの毛先を歯面に直角に当て、歯と歯頚部(歯と歯肉の境い目)を小さな円を連続に描くように動かし移動していきます。

(5)バス法

柔らかく毛束の多いブラシを使用して行います。
歯頸部、特に歯肉溝内の清掃と歯肉のマッサージを目的として行います。

まだまだ色々な方法があるのですがこの辺にして一般によく使われている方法をご紹介したいと思います。

歯並びは個人個人違うのですが、歯並びが標準的に並んでいるとして良く紹介される歯磨き方法をご説明します。
実は、私が子供の頃、衛生士さんが学校に来て指導してくれたのは「ローリング法」という磨き方でした。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、上の歯は上から下へ、下の歯は下から上へ歯ブラシを回転させて清掃する方法です。
しかしこの方法は清掃法が難しく、歯頚部や隣接部の歯垢が落ちにくいので最近では紹介されなくなってしまいました。

今は、先にもご紹介しましたスクラッビング法を基本としています。
そして、当院では、①それぞれの歯並びに合った部分磨きや②やり易い磨き方、又、③補助用具を使った方が良いのか、④使うとしたらどの用具が良いのかなどを提案していくというブラッシング指導を行っています。

例えばいわゆる八重歯と呼ばれる犬歯が歯列から飛び出している部分はスクラッビング法だけではその歯の近親面や遠心面は清掃できません。
その部分は歯ブラシを縦にしてそれぞれの面を磨くか、タフトブラシというブラシで同じようにするかします(①②③)。
又、歯と歯の間に隙間がある場合、歯間ブラシという専用のブラシを使いますが隙間の大きさに合ったものを使わないと隣接面の歯垢を落とすことはできません(④)。

それぞれの部分に合った磨き方や補助用具が決まったら、賀民上歯科では一か所30回磨きをお薦めしています。
口腔内のバクテリアが糖分を分解した歯垢粘着性があるので中々歯面からはがし取る事が出来ません。
同じ個所を30回ブラッシングすれば大方の歯垢を取り去る事が出来ます。

以上が賀民上歯科でやっているブラッシング指導のやり方です。
ご来院時に、おひとりおひとりに合った歯ブラシやブラッシングの方法をご紹介致しますので、どうぞお気軽にブラッシングのやり方をお尋ねください。

歯科医師:熱田