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PMTC(最新の歯のクリーニング)②

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは。
歯科医師の熱田です。
あっという間に1月ももう下旬ですね!

さて、前回、PMTCについてはスケーリングや歯周治療の手術後のメンテナンスであると書きましたが、もう少し詳しくご説明したいと思います。
PMTCが必要または大変有効とされる場合は以下の通りです。

1.歯周病の予防、管理(メンテナンス)

初期、中程度の歯周病は患者さんの自覚があまりない場合が多く、継続した管理が難しいこともあります。
そのため、PMTCを行い、爽快感、予防効果を感じていただき、患者さんとの信頼関係を深めて継続的な管理を行っていくことを目指します。

2.重度歯周病の進行抑制

原則として歯周管理を目的とするPMTCでは、歯周病治療により歯と歯肉の溝のプラーク及び歯石が完全に除去されている必要があります。
しかし、例外として重度歯周病は一気に過度の歯石除去をすると、歯肉の退縮を起こし、歯の根が露出し、患者さん本人によるブラッシングを難しくし、審美的にも美観を損ねることがあります。
こういう場合には、ブラッシング指導、PMTC、プラークコントロール、歯石除去をそれぞれの状況に併せて行っていくことが必要となります。

3.虫歯の予防、カリエスリスク(虫歯のなりやすさ)

人の一生には、カリエスリスクの高い時期と低い時期があります。
平たい面、噛み合わせる面や隣接面(歯と歯の間)に虫歯が生じる時期は10代前半から20代前半にかけてです。
そして、歯と歯肉の間の溝の部分に虫歯が多発する時期は主に後半のライフステージと考えられています。
後者のように、歯肉の退縮や歯の根が露出した磨きにくい状態では、小児型虫歯(前者)のように「徹底したブラッシングと甘味制限を中心とした生活指導」だけでは予防は難しくなります。
成人の根の面の虫歯や歯と歯肉の間の溝の虫歯を予防するには、PMTCは優れた効果を発揮します。

4.有病者、障害者の口腔管理

院長が【全身疾患と歯科治療】の連載をしていますが、糖尿病、腎疾患、高血圧症、高脂血症、貧血などは、歯周病の全身的リスクと考えられています。
また、慢性疾患の薬の長期使用なども唾液の分泌が低下するため、虫歯や歯周病の大きなリスク要因となります。
このような患者さんの口腔管理は常に病気の進行度や全身の状態に気を配りながら行わなければならないと思っています(詳しくは院長のコラムをご覧ください!)。
知的障碍者、手の不自由な方、高齢者などセルフケアの困難な方たちには介護者の協力を求めながら、私たち専門家が積極的に口腔清掃を進めていくことが必要になります。

5.治療及びセルフケアの動機づけ

治療に前向きでない患者さん(歯科治療に対して怖い、痛いなどのイメージがあるとなかなか病院に行くのは難しくなりますよね)には一部分PMTCを体験していただくと、ブラッシングの必要性を理解していただきやすいようです。

6.着色の除去

お茶やコーヒーをよく飲む人や喫煙する人の歯の表面の着色を除去するためにもPMTCを行います。
PMTCのクリーニング効果で審美的欲求に応えるとともに、ホームケアの向上を目指します。

7.詰め物や被せもののメンテナンス

虫歯の治療の最後に、詰め物や被せものが入ると、治癒したと錯覚しがちですが、検診も受けずに何年も放っておけば、歯周病は進行し、歯と歯肉の間の溝に虫歯という悪魔が忍び寄ってきます。
長期的に詰め物や被せものを使っていくことを考えれば、治療が終わった時点がメンテナンスの出発点です。

8.矯正中、矯正後の歯周病・虫歯予防

矯正中の歯周病・虫歯予防にもPMTCは大変有効です。
様々な矯正装置が入った口の中を患者さんがご自身で管理するのは非常に難しいからです。

長くなりましたが、以上がPMTCを必要とする場合やPMTCが有効な場合です。

やり方は

①染め出しで口腔内の汚れを確認していただき、ブラッシング指導
②歯と歯肉の溝、歯周ポケット内に入り込んでいるプラークを器具と洗浄液で取り除き、洗い流す
③固い歯石の除去には専用のチップを取り付けられるPMTC用のエンジンで取り除く
④PMTC用のチップと専用の超微細な研磨剤を研磨ジェルに混ぜて、歯や歯の根の面を研磨していく
その後、洗浄液により、溝およびポケットの中を洗浄
⑤仕上げに研磨した部分に知覚過敏予防と歯の面の再石灰化を促進するためにフッ素化合物を塗る

という流れです。

これらは基本的に口腔内を6分割くらいにして行いますが、それぞれの歯並びや汚れの程度によって上記の方法を同じ部分に何回か行わなければならないこともあります(通院の回数は人によって変わってきます)。
一度体験していただけるとその良さがわかっていただけると思いますので、ご興味・ご感心のある方はぜひご相談ください。

歯科医師:熱田