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心疾患と歯科治療 ─全身疾患と歯科治療②

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは、院長の荒内です。
年内のコラムは今回を含め、残り3回となりました。
年末の忙しい時期かと思いますが、ぜひお時間のあるときにお読みになってください。

さて、第2回目は、心疾患と歯科治療についてお話させていただきます。

まず、歯科疾患が心臓や腎臓など、他の臓器に移って心疾患や腎疾患を引き起こすことがあります。
このことを病巣感染といいます。
歯周病や歯の根の病巣を放置していると、別の臓器に感染してします可能性があります。
歯だけの問題ではなくなりますので、最低3か月から半年に1回は歯科検診をおすすめしています。

次に、狭心症の患者さんの歯科治療についてお話します。狭心症の患者さんでも、出血を伴わない通常の治療ならば、問題なく受診できます。
ただし、出血を伴う抜歯や歯肉の手術などは危険を伴います。
また、心筋梗塞を起こされた患者さんは、6か月から9か月して全身状態が回復されたあとに、手術や抜歯を行います。
患者さんの状態が悪いときは、痛みや腫れにたいする応急処置や対症療法だけに留めます。
また、歯科治療中に心臓発作が起こった場合、ただちにニトログリセリンの錠剤を舌の下入れる必要があるのですが、すぐにそういった対応ができるよう、あらかじめニトログリセリン舌下錠を歯科医師に渡しておくか、トレーに置いておきます。

心筋梗塞のある患者さんは血を固まりにくくする薬(ワーファリンやヘパリン)を飲んでいます。
出血を伴う歯科治療を受けられる場合、内科医と緊密な連携をとりながら、そうした抗凝固剤をいったん中止するか、そのまま服用するかを決めます(とくに、弁置換、人工血管置換手術を受けられている方)。

(心疾患からは離れますが、出血を伴う歯科治療において注意をしなければならない疾患はほかにもあります。
まれなケースですが、川崎病に罹っている患者さんは出血を伴う治療をされるときに、治療前に抗生剤を飲んでおく方が川崎病を増悪させないという報告もあります。)

その他、歯科治療で気を付けなければならない極めて重要なことは、ペースメーカーを使われている患者さんです。
歯科治療で使う歯の根の長さを測る機械や電気メスがありますが、これらは患者さんの体にごく微量の電流が流れます。
そのことによってペースメーカーに悪影響を与えることがありますので、非常に注意が必要です。

以上のように、歯科治療に伴う、心疾患への悪影響が考えられますので、歯科治療前に、できるだけ多くの情報を歯科医に出していただくことが重要と考えます。

院長:荒内全身疾患と歯科治療②