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口腔内に症状が出る全身疾患・続き

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。台風15号の被害状況はまだ改善されていないです。
新たに台風17号が発生しました。関東の側を通る可能性が出てきました。早く復旧作業が進む事を、願っております。
今回は院長先生の第46回、コラムです。
「口腔内に症状が出る全身疾患・続き」

⑦血液の病気

[血友病]
ちょっとした外傷でも出血し、止まりにくい病気です。色盲と似て伴性劣性遺伝病の1つです。血液凝固因子のうち先天的に第Ⅷ(8)因子欠乏によるものを血友病Aと言います。古典的血友病とも言います。第Ⅸ(9)因子が欠乏しているものを血友病Bと言います。血友病AとBが主ですが、先天的に第Ⅺ(11)が欠乏しているものを血友病Cと言います。血友病Cは無症状の時も多く、出血してもAとBと比べると軽度です。しかし、抜歯後の止血はしにくいので注意が必要です。
この病気は伴性劣性遺伝の為、男性が女性に比べると圧倒的に多いです。女性は、全血友病患者さんのうち1%以下です。男児出生数5千人~1万人のうち1人が血友病と報告されています。血友病は基本的に遺伝病ですが、約25%の人は「突然変異」によって起こります。又、血友病Aは、血友病B のおよそ5倍です。最近、様々なすぐれた薬が開発され、健常者と変わらない生活が出来るようになりました。

[各種の紫斑病]
紫斑病とは、皮膚及び粘膜に点状や紫斑の出血をお起こす病気を言います。血小板の減少又は機能異常による紫斑病を血小板減少性紫斑病と言います。そして、血管の異常によるものを、「アレルギー性紫斑病」と言います。紫斑と他の発疹との見分け方の1つは、「あざを手で押して消えたら発疹、消えなければ紫斑」という事です。

[巨赤芽球性貧血]
ビタミン12や葉酸(水溶性ビタミンB群の1つ)の不足によって起こる貧血の総称です。血液は骨髄で造られますが、ビタミン12や葉酸が不足すると骨髄で造られた赤血球の前駆細胞が分裂できなくなります。つまり、赤血球になれず、骨髄から脱核出来ません。そうすると体内の赤血球が不足して、貧血を起こします。このような貧血を起こす病気に、条虫症や悪性腫瘍、あるいは抗癌剤の副作用としても起こることがあります。

⑧中毒による口臭

[砒素中毒(arsenic compounds(fun gicide)poisoning)]
無機や有機の砒素化合物による中毒です。人為的投与、混入事故、職業性暴露及び環境汚染により急性中毒、慢性中毒及び癌が起こります。無機砒素化合物は、有機よりも、はるかに毒性が強く、古くから犯罪に使われて来ました。日本では1998年に「和歌山カレー事件」が起き、4人死亡、63人が入通院しました。又、1955年には「森永ヒ素ミルク事件」がありました。製造過程で亜ヒ酸がミルクに混入し、それを摂取した乳児のうち131人が死亡し、1万24人以上の患児が出ました。台湾では、地殻中の砒素が井戸水に混入した為、鳥脚病や膀胱癌,肺癌になった例があります。

[蒼鉛剤中毒(梅毒の治療薬)]
1940年(昭和15年)頃、抗生剤のペニシリンが梅毒の治療の主役になりました。それまでは、ドイツのP.Ehrlich(エアーリッヒ)が、1909年に砒素を32%含むサルバルサン(アルスフェナミン)606号を中心に、水銀やヨード等を併用していました。
副作用として、水銀口内炎や、サルバルサンの壊疽性扁桃腺炎が起こりました。ちなみにサルバルサン606号の発見には日本の秦佐八郎が重要な働きをしました。名前に606号とありますが、これは発見するまでの実験回数だと言われています。あまりにも研究が進まない為、エアーリッヒの研究員達は辞めていったそうです。しかし、秦佐八郎は最後まで、エアーリッヒの研究を支えた。まるで、人工癌をウサギの耳に作った山極勝三郎に似ています。彼も三年以上、ウサギの耳にタールを塗擦し続けました。やはり研究者達は、山極の元を去っていったそうです。

[慢性鉛中毒]
鉛を体内に取り込んだ為に起こる重金属中毒の1つです。急性では、激烈な胃腸炎の症状を起こし、ショックを起こし、死亡することもあります。
慢性では貧血、鉛疝痛(腹痛)歯肉の変色、便秘、神経麻痺等を起こします。小児では脳炎様の症状が見られます。
鉛管や活字等、鉛を扱う作業、又は鉛を含んだ白紛の常用(ドーラン)等が原因で起こります。

[燐中毒]
燐は天然には元素の状態では存在しません。リン鉱石から精製されます。通常、白(黄)リン、黒リン、赤リンと呼ばれる種類があります。人体への侵入経路は、経口、経気道、経皮があります。急性中毒としては、血管壁を直接傷害し、肝臓や腎臓の脂肪を変成します。消化管にビランを形成します。更に、下顎骨を壊死させたりします。経気道によって発症する慢性中毒症状は、潰瘍性口内炎、下顎骨の壊死(リン中毒性顎骨壊疽)と歯の脱落、体重減少、気管支炎、貧血、肝臓肥大、黄疸等があります。
リン中毒は、救急治療が必要です。

[青酸中毒]
中毒を起こすのはシアン化物の摂取とシアン化水素ガスの吸収によるものが殆どです。よって、人体への侵入経路は、経口と経気道が主です。稀に高濃度の塩の溶液に触れると、皮膚からも侵入します。
生物毒をその働き(作用)から分類すると、大きく3つに分けられます。
ア、溶血毒:赤血球を破壊する毒。ヘビ毒、ハチ毒。
(ストレプトリジンOや破傷風菌のテタノリジン、ブドウ球菌、腸炎ビブリオ)
イ、壊死毒:細胞や組織を壊死させる毒。
(ウェルシュ菌、ジフテリア菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、百日咳菌)
ウ、神経毒:主に動物の神経を阻害する毒。
(フグ毒、ボツリヌスやテタヌスの毒等)

[アルコール中毒]
今まで述べてきたように、毒とは、生命又は健康を害するもの。そして中毒とは「毒に中(あた)る」という意味です。つまり生体に対して、毒性を持つ物質を口から摂取したり、吸い込んだり、皮膚や眼、又は口や鼻等の粘膜に付着した為に生じる有害作用のことを言います。
さてアルコール中毒ですが、「一気飲み」のように短時間に多くのアルコールを摂取した為におこる、急性アルコール中毒症と、長年に渡る大量の飲酒による慢性アルコール中毒症があります。
あるコールの慢性中毒は、麻薬中毒と同じで、アルコールを摂取する行動そのものが、他の慢性中毒と決定的に違うので、「アルコール依存症」という用語を使う様になりました。

[高熱の出る病気]
感染症:風邪、インフルエンザ、ノロウイルスによる感染症、胃腸炎
膠原病:全身性エリトマトーデス、関節リウマチ、強皮症、ショーグレン症候群

[心因性口臭]
実際には口臭が無いのに、臭うと思い込むこと。

今回は(第46回)はここで終わります。
次回(第47回)は、味覚減退、あるいは、味覚不全を起こす全身疾患についてお話しします。