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口腔内に症状が出る全身疾患についての続き

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。少し秋めいて、気温が下がったと思いましたら、又、週後半から来週まで猛暑となる予想です。これは関東の予報です。
ところが九州北部で秋雨前線が南下し「線状降水帯」で大変な大雨を降らせました!河川が氾濫し、街に水が溢れ、避難できなくなった人が助けだされたり、助けを待っているようです。この前線が29日まで停滞するようですので、お気を付けください!
今回は院長先生の第45回コラムです。
「口腔内に症状が出る全身疾患についての続き」

8、口臭を伴う全身疾患

①鼻の病気
アデノイドとは、前述したように咽頭の鼻部後壁粘膜に見られるリンパ組織(腺様織)の増殖を言います。つまりアデノイドになると、鼻がつまって、口でしか呼吸ができなくなります。口呼吸になると口の中が乾燥します。すると口の中の雑菌が増えて、口臭が起こります。慢性鼻炎や鼻内異物、萎縮性鼻炎等、鼻呼吸ができなくなると口が臭うようになります。鼻ジフテリアや慢性副鼻腔炎でも、勿論、口臭が起こります。

②のど(喉・咽)の病気
慢性扁桃炎、咽頭ジフテリア、上咽頭癌、喉頭癌等も口臭を伴います。ジフテリア(diphtheria)とは、ジフテリア菌の感染によって生じる上気道粘膜疾患ですが、眼瞼結膜、中耳、陰部、皮膚等が犯されることがあります。鼻ジフテリアでは、鼻汁に血
が混じったり、鼻孔や上唇がただれるのが特徴です。致死率は平均5~10%です。3種混合ワクチン(DPT=ジフテリア、破傷風、百日咳)、2012年からポリオ(IPV)を追加して4種混合ワクチンとなりました。4種混合ワクチンをDPI-IPVと表示することもあります。

③消化器の病気
・食道憩室とは、食道の壁がポケット状に外側にふくらんだ状態を言います。飲みにくくなることがありますが、あまり症状が出ません。
・食道アカラシアとは、原因不明の食道の機能異常の事を言います。中年に発生することが多い疾患です。
この病気になると、食道の蠕動が障害され、下部食道括約筋が十分に開かなくなります。すると食物の通過障害や食道の拡張が起こります。つまり、固形物だけでなく、液体も上手く飲み込めなくなります。嚥下障害が徐々に進行いきます。更に、特に夜寝ている時に嘔吐も起こります。胸や背中に痛みが出たり、体重が減少することもあります。
・食道裂孔ヘルニア
食道裂孔ヘルニアとは、横隔膜にある裂孔から、本来、横隔膜の下にあるべき胃の一部が、横隔膜の上に飛び出してしまった状態を食道裂孔ヘルニアと言います。食道が閉じにくくなる為、1回胃に送られた食べ物が、胃液とともに逆流し易くなります。胃液は強酸ですから、食道がピリピリしたり、腹部膨満、げっぷ、嚥下困難等の症状
を起こします。
・その他、食道癌や慢性胃炎、胃癌、成人肥厚性幽門狭窄等でも口臭が起こります。

④肝臓の病気
・肝性昏睡
肝臓の働きが極端に悪くなって昏睡状態になると、その初期には、口臭が起こります。

⑤呼吸器の病気
・慢性気管支炎への細菌感染
これは原因不明で咳と痰が長く続く状態に対しての病名です。ほとんどの場合、肺気腫を伴う為、まとめて慢性閉塞性肺疾患(COPD)という診断名が使われています。
・肺膿瘍
一般に、口の中にいる細菌が肺の中に吸い込まれて発症します。
肺に感染すると炎症が起こり、肺組織の構造が破壊されます。破壊されると肺に空洞が出来ます。そこに膿が溜まった状態を肺膿瘍と言います。症状として、疲労感、食欲不振、寝汗、発熱、体重減少、痰が絡む咳等が見られます。
・肺結核
結核菌に感染することによって発症する肺の感染症のことです。2週間以上続く咳が出ます。又体重が減ったり、倦怠感、血の混じった痰、ひどい寝汗、発熱等が見られます。しかし、これらの症状があまり出ない時が大問題です。新規の結核発症者のうち約20%が結核にかかっていることに気付かないそうです。
更に30才から59才までの肺結核患者さんに限定すると、約40%の人が気付かなかったと言われています。もし自分が結核にかかっていることに気付かなければ、周囲の人に結核菌をバラまくことになります。特に赤ちゃんや幼児を抱いたりすると感染させてしまいます。該当するような症状が疑われる場合には、放置せず、検診されることをお薦めします。
・肺梗塞
肺動脈に腫瘍細胞や静脈血に出来た血のかたまり、空気、脂肪等が引っかかって肺塞栓が起こり、その結果、その肺動脈分布領域に出血性壊死を起こした状態を言います。息切れや胸痛、ふらつき又は失神等の症状が起こります。ふさがった肺動脈の範囲や、患者さんの全般的な健康状態によって違います。もし慢性閉塞性肺疾患や冠動脈疾患があれば、生活に支障をきたす症状が現れやすくなります。
・肺癌でも口臭が起こります。

⑥代謝異常による病気
・糖尿病
これは、血糖値が持続的に高くなってる病気の事を言います。Ⅰ型とⅡ型があります。Ⅰ型の原因は不明ですが、自己免疫疾患の1つと言われています。血中の糖をコントロールするインスリンは、膵臓のランゲルハンス島にあるβ細胞DENTEX作られています。しかし、何らかの原因でβ細胞が壊され、インスリンの量がげんしょうすることによって起こる糖尿病がⅠ型です。どの年齢でも発症しますが、若年者に多く見られます。
Ⅱ型は、生活習慣病と言われています。つまり食事のバランスや運動不足、喫煙、睡眠不足等、生活習慣によって起こるものです。糖尿病の患者さんの数は予備軍を入れて、およそ2千万人と推定されています。因みに2013年の統計によると、ベスト1位は神奈川県で、ベスト2位は滋賀県、3位は愛知県でした。ワースト1位は徳島県、ワースト2位は香川県でした。徳島県の糖尿病死亡率は、1993年から2013年までの20年間で2007年を除いて、全て徳島県がワースト1位でした。
・尿毒症
腎臓の働きが、正常の10分の1まで低下した状態を言います。
腎臓の働きが悪くなると、全身の諸臓器に機能障害が起き、さまざまな症状が現れます。治療しなければ、生命にかかわる深刻な事態となります。腎臓の働きは、老廃物を体外に排出するだけで無く、水や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、クロール、リン等)の調整や、血圧をコントロールする酵素を出したり、赤血球を作るように骨髄に働きかけるホルモン(エリスロポエチン)を作ったりする働きもあります。尿毒症の初期段階では自覚症状は殆どありません。
児火気症状が現れる頃には、病気がかなり進行していることが多いので、定期的に検査されることをお勧めします。
症状は蛋白尿、血尿、むくみ(浮腫)、高血圧、尿量の変化、だるさ、吐き気、食欲不振、頭痛、呼吸困難感、易出血等、とにかく全身に及びます。勿論、口臭(尿臭)、歯肉出血、味覚障害、金属のような味がしたりします。
今回はここで終わります。次回は46回です。次回は「⑦血液の病気」から始めます。