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口腔内に症状が出る全身疾患

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。相変わらず危険な暑さが続いています。そして、いよいよお盆休みに入りますね。当診療所も8月11日~8月15日までお盆休みとなります。よろしくお願いいたします。ところで、台風10号が上陸しそうです。お出かけになる方も多いと思います。天気予報は見逃せないですね。気を付けていってらしてください。
今回は院長先生の第44回目のコラムです。
「口腔内に症状が出る全身疾患」
についてお話します。

7、口腔乾燥症(口の中が乾く)

①口呼吸(口で呼吸すると様々な問題を引き起こします。)
鼻性口呼吸(アデノイドや鼻づまりで鼻呼吸が出来ないもの)
歯性口呼吸(上下顎の前突や開口などで口唇閉鎖が困難なもの)
習慣性口呼吸(原因が改善されても、習慣が残ってしまうもの)
(※アデノイドとは、咽頭の鼻部後壁粘膜にみられる腺様組織(リンパ組織)の増殖の事を言います。
※口呼吸を伴う上顎前突を矯正科では、アングルⅡ級Ⅰ類と言います。口呼吸を伴わない前突をⅡ級Ⅱ類に分類しています)

②薬の使用
一般的に自律神経遮断剤や制酸剤、向精神薬等を服用すると口の中が乾きます。

③ショーグレン症候群
1933年にスウェ―デンの眼科医ヘンリック・ショーグレンによって発見されました。
全身の外分泌腺の慢性炎症と破壊に基ずく乾燥症候群です。一義的には、T細胞の異常による自己免疫疾患と考えられています。男女比は1:17と、圧倒的に女性が多いです。50才代がピークですが、子供さんから80才の老人まで発症します。2011年のデータによると、1年間に受診した患者数は約68,000名ですが、潜在的には10~30万人と考えられています。関節リウマチの患者さんの中には、約20%の人がショーグレンにかかってしまいます。原因は、まだ分かっていませんが、遺伝的要因、ウイルス、免疫異常、女性ホルモンの4つの要因が、複雑に絡み合っては発生すると考えられています。
涙の出が悪くなりますから、目がゴロゴロしたり、眩しさが強くなります。唾液の出が悪くなると、口の中が乾いたり、舌が荒れたりします。又口臭も強くなります。大前庭腺(バルトリン腺)からの分泌液が減ると性交時に違和感を覚えます。更に紅斑や紫斑、発熱、関節痛、レイノー症状等も出たりします。
※レイノー病とは、1862年にフランスのMaurice Raynaud(モウリス レイノー)によって報告されたもので、寒い時や冷たい水に手を入れた時、特に両方の手指が対称的に痛みを感じたり、しびれたり、手指の色が蒼白になります。悪化すると紫になり、血流が戻ると赤くなります。この手指の色がハッキリと変わるのが大きな特徴です。

④プラマー・ビンソン症候群
鉄分(Fe)とビタミン(B1,B2,C)の欠乏によって、頸部食道の狭窄を生じた状態を言い
ます。舌炎と貧血が同時に起こります。
口の中が乾いて、食物が飲み込みにくくなります。

⑤糖尿病Ⅱ型(インスリン非依存型)
糖尿病の90%以上がこのタイプです。この病気になりやすい人の特徴は40才以上で、太り過ぎで、ご家族に糖尿病患者がいて、著しい運動不足の人です。糖尿病は、慢性の高血糖状態と明確に定義されました。
この病気は、血液中の血糖が慢性的に多くなり、血糖値が高くなる病気です。血糖値を下げる唯一のホルモンがインスリンです。このインスリンの作用不足によって糖尿病が発症します。原因として遺伝的要素がありますが、生活習慣病の一つです。多くの場合、食生活の乱れや運動不足、肥満等に起因します。現在、とても良い薬が発達していますが、なんと言っても食事療法や運動療法が重要です。
もし糖尿病を無治療のまま放置すると、非常に深刻な状況に陥ります。心筋梗塞や脳梗塞等の緊急性の高い病気だけでなく、いわゆる三大合併症を併発することになります。つまり糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、そして糖尿病性神経障害の三疾患です。又、免疫力が低下する為に、非常に感染しやすくなります。例えば、歯周病や尿路感染症、呼吸器感染症、胆道感染症、皮膚の感染症等が上げられます。最近、大麦や雑穀類の摂取量が激減しているそうです。その影響で食物繊維の摂取量が激減し、と同時にマグネシウムが慢性的に不足し、これが糖尿病の発症に関係していることが着目されてるそうです。

⑥バセドウ病(グレーブス病、パリー病とも言う)
何らかの理由で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される代表的な疾患です。これは脳下垂体が甲状腺にホルモンを出すように甲状腺刺激ホルモンを出します。甲状腺刺激ホルモン(TSH)は、甲状腺にある受容体にくっつきます。
脳下垂体から指令を受けた甲状腺は、甲状腺ホルモンを分泌します。これが健康な状態です。しかし、体質の変化によって甲状腺を誤って異物とみなしてしまいます。すると、受容体に対して、自己抗体が出来て、この抗体が受容体にくっついて、脳下垂体から分泌された、甲状腺刺激ホルモンになりすまして、甲状腺ホルモンの分泌値を促してしまいます。すると、脳下垂体からの甲状腺刺激ホルモンによってコントロールされていた甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能亢進症、いわゆるバセドウ病になって仕舞います。因みに、甲状腺機能低下症をクレチン症、或いは橋本病と言います。バセドウ病もクレチン症も自己免疫疾患です。ビマン性甲状腺腫、眼球突出、頻脈が代表的な症状で、Mer-
seburug(メルセブルグ)三徴と言います。20~30才代の女性に多く、男性の役3~5倍と報告されています。治療法は3通りあります。
一つは薬物療法です。通常、最初に行われます。
抗甲状腺を初期に大量に投与します。甲状腺機能を見ながら少しずつ減らして、維持量にします。一般には、1年間、維持投与を続けます。自己抗体のTRAbやTSAbの陰性化又はT3の抑制試験の陽性化の確認ができた時点で薬の投与を中止します。寛解率は約
1⁄3(33%)と言われています。副作用については、特に無顆粒球症に注意が必要です。
無顆粒球症とは、血液中の白血球成分のうち、顆粒球(特に好中球)が減少し、やがて殆ど
無くなる病気です。
二つ目は、手術療法です。薬物療法が使えなかったり、不適当な場合に行われます。甲状腺亜全摘出手術と言います。寛解率は80%とかなり高成績ですが、手術の瘢痕が残る事が欠点です。
三つめは、アイソトープ療法です。アイソトープとは化学的性質は同じで重さが少し違う原子(元素)のことで「アイソトープ(同位元素)」と言います。つまり、原子番号は同じで、質量の数だけが番う原子の事です。
これらの同位元素(アイソトープ)の中で、「活発な状態」から「落ち着いて静かな状態」に
変化する時に、放射線を出す原子があります。こういう同位元素を、放射性同位元素(ラジオアイソトープ)と言います。PET検査関連の事を「アイソトープ検査」とか「RI検査」と呼ぶこともあります。中でもX線とγ線が治療や医療検査に広く使われています。
日本で得は、アイソトープ治療が最初に行われることは殆どありません。しかし、アメリカでは、この治療がファーストチョイス(第1選択)です。日本では放射線に抵抗を感じる人が多いので、この治療が普及しませんでしたが、最近では日本でもバセドウ病の治療 の第1選択にアイソトープ治療を選択する病院が増えて来ました。

⑦尿毒症
これは、急性や慢性に腎機能が低下して、体液の恒常性が維持できずに、全身の臓器に多彩な症状を呈した状態を尿毒症と言います。現在、まだ悪くなった腎臓を治す事は出来ません。ですから、生活の乱れを改め、食事療法を徹底して、悪化しないようにするか、悪化を遅らせることが重要です。

⑧脱水症
これも勿論、口の中が乾きます。

今回は、ここで終わります。第45回も、この続きをお話します。