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口腔内に症状が出る全身疾患

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。梅雨らしいと言えばそうなのですが、今年は気温も上がらず冷夏ともいえる状況です。体調を崩している方も出ているそうです。予報では今週位から気温が上がっていくとのことですが、台風も発生しています。天気予報のチェックは怠らないようにしないとならないですね。
今回は院長先生のコラムです。第43回です。
「口腔内に症状が出る全身疾患」
について、ごく簡単にお話します。

口の病気が、全身疾患のサインになる事もあります。ですから、ただ口内炎だと思っても、もし2週間たっても治らないようでしたら、口腔外科やかかりつけの歯科を受診されてください。癌やエイズ、梅毒等の恐ろしい病気も、口腔内にその症状の一部として現れます。口は「全身の窓口」と言います。口腔内疾患だけでなく、感染症や血液疾患、自己免疫疾患、内臓疾患、内分泌代謝疾患等を少しでも早期に発見出来るように、毎日、唇や頬、舌、歯肉、喉等をチェックして頂きたいと思います。それでは口内に現れる全身疾患の主なものを列挙したいと思います。

1、 歯が痛む時に可能性のある全身疾患
(1 )上顎(洞)癌:時に歯の痛みを感じることがある。
(2 )狭心症   :胸の痛みと共に左側の下顎や歯に痛みを感じることがある。

2、 歯肉が腫れる可能性がある全身疾患
(1 )女性:思春期、月経時、妊娠時等に女性ホルモンの影響で一時的に歯肉が腫れるこ
とがある。

3、 歯の色が変わる可能性のある全身疾患
(1 )栄養障害
(2 )ビタミンD欠乏症
(3 )先天性風疹症候群
(4 )先天性梅毒
(5 )テトラサイクリン系抗生物質
(6 )各疾患による高熱

4、 歯肉から血が出る可能性のある全身疾患
(1 )血液の病気
再生不良性貧血
特発性血小板減少性紫斑病
血友病
白血病
(2 )ビタミンC欠乏症
(3 )糖尿病
(4 )高血圧症

5、 歯肉が変色する可能性のある全身疾患
(1 )メラノーマ:若年性黒色腫という良性と悪性黒色腫という悪性があります。歯肉に発生すると、そこがほくろやあざ状の黒色或いは暗褐色の出来物になります。
(2 )色素沈着 :皮膚に含まれるメラニンが、歯肉に溜まると(沈着)黒ずんで見えるよ
うになれます。

6、 口腔粘膜に病変ができる可能性のある全身疾患
〈痛みやしみる場合〉
(1 )水ぼうそう(水痘):発熱と同時に全身に水ぶくれ(水疱)が発生します。口内にも水ぶくれが出来て痛みます。
〈病変が痛まない場合〉
(1 )はしか(麻疹)
初めに発熱や咳等が出て風邪のような症状が出ます。白目が充血たり、目ヤニも出て来ます。口の中には、コプリック斑と呼ばれる粟粒大の白い斑点が数個から数十個位出来ます。
コプリック斑は、はしかに特異なものだと考えられて来ました。かし2009年~2014年の研究により、風疹やパルボウイルスやその他のウイルスでも発生することが証明されました。とは言え、はしかの患者さんの90%前後に見られますから、今でも早期発見の一助になっています。
コプリック斑は、発病2~3日後、身体に発疹が出る。2日前に臼歯付近の頬粘膜に出現します。
(2 )ポイツ・ジェガース症候群
この病気は、食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと口唇、口内、足底、指尖部を中心とする皮膚や粘膜を特徴とする常染色体遺伝性疾患です。過誤腫とは一般的には、腫瘍と奇形の中間的な性格の病変と言われています。具体的な症状としては、唇には黒くて小さな色素斑の点在、手のひらや足底には、黒褐色の色素斑、口内粘膜や指尖端部にも1ミリから5ミリくらいの黒褐色の色素斑が現れます。又、小腸のポリープから出血し、下血が起こります。下血が起こると貧血を起こすこともあります。
(3 )アジソン病(副腎皮質ホルモン低下症)
イギリスのthomas Addisonが1855年に見つけた病気です。慢性的な病変による両側副腎皮質の破壊や委縮によって副腎皮質の機能が低下する病気です。病因は特発性と呼ばれる自己免疫の疾患によるものと、結核によるものが殆どです。どちらの原因にしても特徴は皮膚や粘膜に色素が沈着することです。

(4 )アミロイドーシス
アミロイドーシスとは、アミロイドという蛋白質が各種臓器に沈着する為に発症する病気の事を言います。これが脳に沈着すると「アルツハイマー病(認知症の1つ)」を引き起こすことがあります。口腔内が乾燥し易く、痛みはありませんが、粘膜に炎症が起きたりします。

今週はここで終わりたいと思います。
次回も続きについてお話したいと思います。