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続、高齢者の心身の健康はまず口の健康から

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。元号も「令和」になりました。
ゴールデンウイークも終りました。「令和」も、よりよい社会にしていきたいですね。今回は熱田の担当です。前回の続きを書かせて頂きます。
「続、高齢者の心身の健康はまず口の健康から」

◆口から食べられることは、大切です。

高齢になると、物を食べたり、飲み込んだりという能力が、だんだんと衰えていきます。あるいは、脳卒中のような病気は、物を食べて飲み込む機能に障害を残します。以降の

<摂食・嚥下障害チェックシート>

1 食事中にむせる事がある
2 唾液が口の中に溜まる
3 飲み込むのに苦労することがある
4 固い物が噛みにくくなった
5 舌に白い苔のようなものがついている
6 声が変わった(ガラガラ声や鼻に抜ける声)
7 よく咳をする
8 食事を残すことが多い(食べる量が減った)
9 体重が減った(この一か月で5%以上、半年で10%以上)
9つの症状のうち、一つでも該当するものがあるときは、専門家に相談してみましょう。摂食・嚥下障害の疑いがあります。
又、前述のような脳卒中のような病気になると、病院で胃ろうを作る事を勧められることがあります。しかし、大切なことは飲み込む能力は、必ずしもずっと一定ではないので、よく専門家に相談をし、なるべく口から食べる機能を保持できるようにしましょう。
* 寝たきりの高齢者の口臭は?
寝たきりの高齢者のいる部屋の悪臭の原因は①おむつの悪臭と②口臭の2つです。
できれば、寝たままではなく、起こしてあげ、本人もしくは介護者による歯磨きなどをされることをお勧めします。

3、かかりつけ歯科医を持とう

(1)かかりつけ歯科医を持つ意義

高齢者では、かかりつけ歯科医を持つ人ほど死亡率が低く、要介護状態になる割合も低いという調査結果があります。
その理由については、さまざまな角度から考える必要があります。一般に、かかりつけ歯科医を持つ人は「歯と口腔の健康への配慮を持った生活習慣」を身につけている人であると考えられます。そういった高い健康感や好ましいライフスタイルが、歯や口腔だけではなく、実際に個人の健康長寿にも寄与しているものと思われます。
また、かかりつけ歯科医を持って、歯と口腔の健康が保たれることにより、高齢になっても食事や会話、人との交流を積極的に楽しむことができます。そうした生活が高い健康感や満足感をもたらし、より一層の健康長寿に貢献したと考えることができます。
すなわち、かかりつけ歯科医を持つことは、それ自体が健康長寿のための基本的な生活習慣の一つであり、同時に歯と口腔の健康をとおして、毎日の生活に高い健康感や満足感をもたらしてくれる意義があると言えるでしょう。

(2)かかりつけ歯科医の機能

では、かかりつけ歯科医はどんな役割を持っているのでしょう。
一般的な歯科治療は、どんな歯科医師でも当然の業務ですから、ここではそれ以外の、かかりつけ歯科医に特徴的な機能を紹介します。

①セルフケアの助言・指導
歯科治療を受け、歯や入れ歯(義歯)の状態を万全にするというだけでは、歯と口の健康を維持し続けることは困難です。良好な口腔状態を保つには、適切なセルフケアが欠かせないからです。
歯ブラシやフロス・歯間ブラシの使い方などを、口腔内の特徴や状態の変化に合わせて適切に助言指導し、患者さん自らの健康作りを支援していくのは、かかりつけ歯科医の最も基本的な役割です。

②継続的な管理
セルフケアをどんなに丁寧に行っても、口の中を隅々まで磨く事はできません。また、歯石が沈着してしまうのを完全に避ける事はできません。
そこで、一定の間隔ごとに、専門家である歯科医師や歯科衛生士によるクリーニング(プロッフェショナルケア)が必要となってきます。
定期的にプロッフェショナルケアを行うとともに口腔内を診査し、継続的に口腔内のメインテナンスをはかっていくことは、かかりつけ歯科医の重要な役割です。

③幅広い対応
かかりつけ歯科医自身が、歯周病や義歯の専門医である場合も少なくありませんが、専門的な医療が必要となった際には、責任をもって病院などを紹介します。
また、持病を持っている方に対して主治医と連携して診療したり、介護職や看護職などと情報交換しながら訪問診療を行うなど、他機関多職種との連携のもと、患者さんの身              になって幅広い対応を摂る事も、かかりつけ歯科医の大切な役割です。

(3)かかりつけ歯科医のメリット

長く通院していると
1 歯科医は患者さんの変化に気づき易いです。
2 ご家族の遺伝的特徴が分かる。
3 患者差の癖が分かる。
4 生活習慣が分かる。
5 御家族間の人間関係が分かる。
6 患者さんの言葉にしていない事を察することができる。
7 患者さんに説明する時、分かりやすく説明できる。

(4)できれば自宅の近くに

すでに、かかりつけとして信頼できる歯科医師がいる方の中には、自宅から1時間以上かけてでも、家族全員で通い続けている人は少なくありません。
しかし、これからかかりつけ歯科医を探そうとしている方は、できれば自宅の近くで見つける事をお勧めします。高齢になって様々な病気にかかった時に、身近な地域にこれまでの経過も含めて、自分の歯や口のことを熟知したうえで相談に乗ってくれる歯科医師がいることは心強いものです。

4、良い、かかりつけ歯科医は、どう探せばいいですか?

かかりつけ歯科医に特別な資格はありません。従って、どの歯科医師もかかりつけ歯科医になり得るわけですが、残念ながら、全ての歯科医師が、かかりつけ歯科医としての機能を十分発揮してくれるというわけではありません。
ですから、良い、歯科医師との出会いが非常に重要です。同時に患者さん自身も、痛い時に診てもれえば良いというような、いわゆる「いきつけ」の歯科医院を求めるだけの姿勢では、せっかくの出会いも上手く活かせない恐れがあります。
「良い」かかりつけ歯科医を探すには、まず患者さん自身が、自分の歯と口の健康のために、信頼できる歯科医師と長く付き合いたいという気持ちを持つことが大切です。
そのうえで、最初はやはり周囲の評判などを参考に探してみるのが、現実的な方法と言えるでしょう。特に定期検診はかかりつけ歯科医としては必須の機能ですので、周囲で継続的に定期検診を受けている人を探し、その方から情報を集めてみてはいかがでしょう。
そして実際に予約を取って受診してみます。「良い」かかりつけ歯科医は、基本的には、「聞き上手、話し上手」です。患者さんが何を悩み、どんな希望を持っているのかを丁寧に聞き出して、また症状や治療法を分かりやすく説明してくれます。
もちろん、無口で愛想があまり良くなくても、真剣に患者さんの健康の事を考えてくれる歯科医師も少なくありません。しかし、患者さん自身が、「話しやすい、説明が解りやすい」と感じることができ、相性も良さそうだと感じられることが、自身にとって「良い」かかりつけ歯科医の、最も大切な要件です。
なお、地域によっては、障害があったり、要介護状態のため、かかりつけ歯科医を探しにくい方に対して、行政や歯科医師会が、かかりつけとなってくれる歯科医師を紹介するという取り組みをしています。

5、定期的チェックは受けられるのですが、その間隔はどれ位が良いですか?

定期検診を受け、継続的に受診していくことが基本ですから、もちろん定期的なチェックは受けられます。
その間隔は、個人個人の歯や口の状態によって異なります。治療直後で短期間でのチェックが必要な場合は2~3ヶ月程度、安定してくれば6ヶ月程度の間隔で受信するのが一般的なようです。
受診の通知を定期的に送ってくれるところもありますが、定期検診の申し込み方法や受信方法はそれぞれの歯科医院で異なりますので、あらかじめ確かめておくことが大切です。
これで「高齢期の心身の健康はまず口の健康から」を終わります。次回からは「介護を要す
る方のために」をお送りいたします。