電話番号

乳歯の虫歯の治療について ─妊娠期と乳幼児の歯と口腔内の特徴 36

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。ここの所、気温が又、上がってきましたね。とてもホッとします。もう寒くならないで欲しいですね。
今回は、院長先生のコラムをお届けいたします。
第36回です。今回は「乳歯の虫歯の治療について」お話します。

[乳歯の虫歯について]

ここでは虫歯の原因や予防、治療について説明します。
虫歯の原因は前回、お話した様に、「歯虫が歯を食べる」という説は否定され「化学細菌説」が、たくさんの研究者により証明されています。1881年にミラーが世界で初めて「化学細菌説」を発表しました。そしてカイスが、歯質、食物(砂糖)、最近が重なり合うと虫歯が発生すると唱えました。これを「カイスの3つの輪」と言います。その後、ニューブランが時間を加えて「ニューブランの4つの輪」を提唱しました。つまり1つでも欠けると虫歯は発生しないという事です。虫歯を予防するには、フッ素等で歯を丈夫にして、甘い物をある程度控えて、歯磨きを徹底する事が大事です。歯磨きには、歯ブラシやフロス、歯間ブラシが有効です。最近、全自動の歯磨きが研究されています。近いうちに販売されると思います。歯磨きが困難な人には、とても役に立つと期待されています。
細菌が酸を作ることは、歯にとっては虫歯を発生させるので好ましくありませんが、胃の中で体の中に入ってきた細菌を殺してくれますから、大いに役立ってもいます。人間が甘い物を食べる理由の1つだと言われています。

次に虫歯(C0,C1,,C2、C3,C4)の程度における症状と治療についてお話します。

<初期虫歯,C0>

歯にはまだ穴が開いていませんが、表面が溶かされて、ツヤが無くなり、白く濁ってたり、薄い茶色になったりします。痛み等の自覚症状はありません。この段階ならば、削らずに歯磨きやフッ素塗布で、健康な歯に戻すことが出来ます。

<エナメル質の虫歯,C1>

歯の表面(エナメル質)に限局して穴が開いた状態です。この段階でも痛みを感じることはありません。治療としては、穴の周りの虫歯を削り取って、歯科用の樹脂、いわゆるコンポジットレジンを充填します。なるべく患者さんの歯の色に近い色を選んで修復します。削る量が少なければ、麻酔をせず、殆ど無痛で治療ができます。治療回数は1回です。

<象牙質前進んだ虫歯C2>

虫歯が歯の内部に広がり、象牙質まで進行した虫歯です。症状は、冷たい飲食物にしみたり、痛んだりします。温かい飲食物には、しみたり痛んだりしません。又食べ物が穴に詰まり易くなります。この段階の治療は、虫歯が1カ所か2カ所以上あるかによって前述したC1と同じコンポジットレジンで修復するか、或いは、削った後、型を採って、インレーやアンレーで修復します。めったにありませんが、「全部被覆冠」いわゆるクラウンにする事もあります。材料は金属やポーセレン、ジルコニア(人工ダイアモンド)レジン等、様々あります。いずれも神経は取りません。

<神経まで進んだ虫歯C3>

虫歯がエナメル質や象牙質を壊して、歯の中心部にある歯髄にまで進んだ状態です。虫歯による穴の大きさに関係無く、この状態になったりします。この段階の症状は激しい痛みが起こります。穴に物が詰まって、神経への刺激が遮断されると痛くない時もあります。この段階の治療ですが、自発痛があったり刺激痛が長引く場合は、麻酔後、神経を取り除く治療します。抜髄と言います。又麻酔下で抜髄をしますから麻抜と言います。
虫歯による歯髄炎が初期であれば、自発痛ではなく冷たい物や熱い物、酸っぱい物にしみたり、噛むと痛みます。この段階では、歯髄をとらないで済むこともあります。ただし、刺激による痛みが、5分以上続くようならば、抜髄になるかもしれません。又、C2の時と逆になって、熱い物に痛み感じて、冷たい物で痛みが治るようでしたら、やはり神経を取る治療になります。歯髄炎が進行すると、自発痛、咬合圧、擦過などの刺激が無いのに、ズキズキ と拍動性の痛みが起こります。この痛みは一過性ではなく、持続性の痛みです。痛みが強烈で、夜、眠れない程の痛みになります。神経を取った後は、根の治療をし、それが終わり次第、アンレー修復やポスト(土台)を立てて、全部被覆冠等の治療をします。

<歯の根だけ残った虫歯C4>

歯の見える白い部分(歯冠と言います)が崩壊し、根っこだけ残った状態です。神経が死んでしまってますから痛みが無くなります。しかし、細菌感染していると、根の中で細菌が増えて、根の先の方(根尖)に膿が溜まり、腫れたり痛んだりすることがあります。この状態を放置しておくと、全身の健康を害してしまう病巣になってしまいます。いわゆる「歯性病巣感染(口腔病巣感染)」と言われるものです。つまり歯の慢性感染症等の限局性原病巣が原因となって、直接関係が無いと思われる遠隔の臓器や部位に、二次疾患として器質的或いは機能的な障害が生じている病態の事を言います。
例えば、原病巣として慢性根尖性歯周炎、感染歯髄、感染根管、辺縁性歯周炎、抜糸後感染、埋伏歯感染等があげられます。そして、これらの病巣が二次疾患として、間接リュウマチや亜急性心内膜炎、糸球体腎炎を引き起こします。ですから痛みが無くなって治ったと思わずに、必ず治療を受けるようにして下さい。この段階の治療は、根の治療をして、土台(ポスト)を立てて、全部被覆冠(クラウン)を装着します。
もし、根の保存が出来なければ、抜歯します。

<自分でチェックする虫歯の目安>

•歯の溝が黒か茶色になっていないか?
•歯の表面がザラついていないか?
•白濁してきていないか?
•冷たい物や甘い物、酸っぱい物がしみないか?
•穴が空いていないか?
•食べ物が挟まらないか?
•詰め物がとれていないか?

<虫歯になりやすい場所>

•奥歯の噛む面(咬合面)
•歯と歯の間(歯間部)
•歯と歯肉との境目(歯頚部)
•歯が重なってる所
•歯の根の部分
•詰め物、被せ物の境目
今回は虫歯についてお話しました。次回は「乳歯の破折や脱落」についてお話します。