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全身疾患と歯科治療2

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。ここに来て気温も下がり9日には雪が積るくらいに降りました。自身の部屋が寒くて、寒くて、寝るしかありませんでした。もう雪は降らないで欲しいです。
今回は熱田のコラムです。
全身疾患と歯科治療2

⑤呼吸器疾患と歯科治療

一口に呼吸器疾患といっても、風邪症候群や肺炎、結核などの肺感染症、気管支喘息、慢性気管支炎、慢性肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患のほか、さまざまな疾患があります。このうち、風邪症候群や肺炎などでは、当然のことながら歯科治療を延期し、体調の良い時に治療を行うべきです。
一方、結核の既往や慢性閉塞性肺疾患を有する場合には、重症度が歯科治療の適否、又どこまでできるかを決定する大きな因子となります。
気管支喘息の発作中の場合を除いて、一般的な体調が良好で、階段の昇りでは多少息切れを自覚するが、自分のペースでなら平地を15~30分以上散歩できるような状態であれば、通常の歯科治療はまず問題なく行えます。少し歩いても息切れするような場合には歯科治療の危険性も増加するので、大学病院などを受診する事をお勧めします。
近年では、在宅酸素療法を行っている慢性呼吸器不全の患者さんが増えてきました。慢性呼吸不全とは結核、慢性気管支炎、慢性肺気腫、間質性肺炎などのために長期間にわたって血液中の酸素が不足状態となっている状態を言います。このような患者さんは、大学病院などに相談される事をお勧めします。パルスオキシメータ(経皮的動脈血酸素飽和度測定器、:指先にプローベを装着するだけで血液中の酸素の量を測定できる)とその他の生態モニタ機器の普及によって、より安全な歯科治療が行えるようになりました。

⑥アレルギーと歯科治療

歯科治療に関連して発現するアレルギーの原因には薬物や歯科材料があります。アレルギーの症状として気管支喘息、皮膚症状(蕁麻疹や皮膚の発赤、水疱、固定薬疹)などがあります。重症例では血圧低下を含むショック症状(ショックの5徴候:ⓐ皮膚、顔面蒼白ⓑ発汗、冷や汗ⓒ肉体的、精神的虚脱ⓓ脈拍微弱ⓔ不十分な促拍呼吸)を呈することもあります。
薬物では抗菌薬や鎮痛薬、局所麻酔薬がその原因となります。(抗菌薬ではペニシリン系やセファム系がショックの原因になります。)局所麻酔薬ではその中に防腐薬として添加されているメチルパラベンがアレルギーを起こしやすいと言われています。メチルパラベンは化粧品の防腐薬しても使用されるので、化粧品かぶれを起こしやすい人は注意が必要です。
アレルギーの検査には、皮内反応などの皮膚試験やリンパ球刺激試験などがありますが、どれも100%の信頼性はありません。過去に薬物アレルギーを起こした可能性がある場合には、その症状と経過、および処置が正確な診断の決め手となりますので、大学病院などにご相談ください。
なお、歯科では使用する金属でもアレルギーが報告されており、手のひらや足底に多数の小膿胞を形成する掌蹠膿胞症などの症状を呈することがあります。
薬物アレルギーと似たものにアスピリン喘息があります。臨床的には激烈な気管支喘息の症状を呈します。臨床で使用されるほとんどの鎮痛薬で反応が生じてしまうので、過去に鎮痛薬で呼吸が苦しくなった経験のある患者さんは大学病院などにご相談ください。

⑦肝臓疾患と歯科治療

▼肝臓の機能と病気
肝臓は全身のさまざまな代謝の中心的な役割を担う臓器で、主に血液成分や栄養分の分
解・合成・貯蔵・解毒を行っています。
肝臓の病気には、ウイルス性の肝炎(A型、B型、C型)とウイルス感染以外を原因とする脂肪肝、アルコール性肝炎、薬剤性肝障害、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変症があります。いずれの病気も進行すると肝硬変、肝臓がんに移行することがあります。また肝臓に流れ込む血液が停滞することにより、食道静脈瘤という血管のこぶが出来る事があり、大きい場合には破れてお腹の中で大出血を起こすことがあります。
▼歯科治療を受ける時の注意
肝臓の病気が重症であるほど肝臓の機能も悪くなって、栄養分の貯蔵、出血を止める成分を作る機能などが低下します。「肝炎の活動期」はウイルスの感染力も強くなっていますので、血液などを介した他者への感染にも留意する必要がありまあす。従って、まず患者さん自らが、肝臓の病状を正確に歯科医師に伝えることが大切です。急性あるいは慢性肝炎んの活動期、進行した肝硬変や肝がん、黄疸が出ているときの歯科治療は避けるべきです。
止血のために必要な成分が不足していることが多いので、抜歯や歯周病の治療などの外科的な処置で血が止まらない事があります。又、免疫力と栄養の低下で傷が治りにくく、感染も起こしやすい状態にあります。食道静脈瘤がある場合は、血圧が急に上がると破裂する恐れがありますので、緊張や痛みなどで血圧が上がらないような配慮をしてもらう事が必要です。
薬の多くは肝臓で分解されるので、薬の副作用も健康な状態より出やすい状態です。肝臓病は、歯科治療にあって様々な注意が必要となるので、歯科を受診された場合には、肝臓の病気の状態をしっかりと担当する歯科医師に伝えることが大切です。
今回はここまでとさせていただきます。次回も「全身疾患と歯科治療3」を書かせて頂きます。