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幼児期に起こりやすい歯と口の病気 ─妊娠期と乳幼児の歯と口腔内の特徴 34

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。2019年の七草も過ぎました。今週に入って気候もぐっと冬型になり、最高気温が10度に満たない日も出てきました。乾燥していて、インフルエンザも流行りつつあります。手洗い、うがい、歯磨きをしっかりやっていきましょう!
今回は院長先生の第34回目のコラムです。今回も「幼児期に起こりやすい歯と口の病気」の続きです。

歯並びがおかしい

歯の位置異常の項でお話した様に、正常な乳歯の歯並びは上下とも半円形に近い形をしています。様々な原因で、1本1本の歯が半円形のアーチから外れて生える事があります。しかし歯並びの乱れが軽度であれば、外側は口の周りの筋肉で、内側は舌の筋肉によって押され、両者の力が釣り合う所に歯が移動して、アーチ上に並ぶようになります。しかし重度であれば歯科を受診されて下さい。ここで最も深刻な問題となるのは、上下の歯の噛み合わせに異常がある場合です。例えば、反対咬合つまり受け口です。本来、上の歯が下の歯にかぶさった状態で噛み合います。受け口はこれと逆になってるケースです。
反対咬合の治療は、その原因によって様々です。例えば、下顎を単純に前にズラしてる場合は、その悪習慣をなくす治療をします。又、歯の傾きによる反対咬合は装置を入れて傾きを直しますもし顎の大きさが小さくて歯の生えるスペースが無ければ、抜歯をします。さあらに上下の顎の大きさが合わない時は、顎を切断する事もあります。反対咬合以外にも異常が起こることもあります。下顎が横にズレていて、奥歯の噛み合わせが、左右で違っていたり、奥歯が噛み合ってるのに前歯が離開することもあります。
奥歯の噛み合わせが左右で違ってるのを見逃したり、放置したりすると食べ物を噛む時に、偏った噛み方が習慣化し、成長と共に顔全体が横に曲がっていくこともあります。幼児期に、上下の噛み合わせや歯並びを早期に改善していくことは、その後の上下の歯並びや顎骨の発育を正しい方向に誘導してくれるものと考えられています。

先天性歯に注意

乳歯は通常生後6~8ヶ月頃、下の前歯から生えて来ます。所が、生まれたばかりの赤ちゃんに、下の前歯が生えてる時が、稀にあります。これを「先天性歯」と言います。(生まれたばかりの赤ちゃんの)舌の裏側にただれ(ビラン)ができる時がありす。ただれの殆どがの原因が、先天性歯によるものです。先天性歯の先端は摩耗しない為、かなり鋭くなっています。ですから授乳の時は、赤ちゃんもお母さんも痛い思いをします。先天性歯がある時は歯科を受診されて下さい。先天性歯がグラグラしてる時は、赤ちゃんが飲み込んでしまう危険性がありますので、抜歯する必要があります。一方、先天性歯がシッカリしている時は、先端を丸めてもらうか、或いは歯科用のプラスチックを先端にはって丸くしてもらって下さい。

前歯の歯肉にみられる色素沈着

歯肉が変色する主な原因は、メラニンや水銀鉛などの外来性の金属、全身疾患に付髄して起こる色素沈着です。その他にも、タバコや口呼吸、薬等もその原因として考えられています。頻繁に見られえるのはメラニン色素の沈着です。これは、粘膜上皮で作られたメラニン色素が粘膜の中にとどまった状態です。歯肉の一部が褐色や青っぽい色に見えます。メラニンの色素沈着は、上下の前歯の表側の歯肉に帯状に現れることが多いと言われています。しかし、頬や舌や唇にも現れることがあります。メラニン色素に沈着は、そのまま放置しても特に問題はありません。ただ見た目(審美的)に良くないので、取り除いて欲しいと希望される患者さんも多くいます。色素沈着を除去する方法は、第1に原因となるものを取り除く事です。第2に色素沈着している部分を機械的にあるいは、薬物等で除去する方法があります。この方法は歯肉のホワイトニングと言ったりします。具体的には、色素沈着してる歯肉の最表面部分を、薬剤やレーザー等で一層剥がす方法です。ピーリング(皮をむく)とも言います。治療時間は約5分位です。治療費は、各医療機関にお尋ねください。レーザーでピーリングをした場合、約3千円が一般的かもしれません。ただし乳幼児では、成長による変化、改善が期待できますので、色素沈着が急に広がらない限り、経過を観察するのが一般的です。色素の沈着ではありませんが、歯肉に炎症があると、歯肉の縁や歯冠乳頭(歯と歯の間にある歯肉)部が赤くなり腫れたりします。これは歯についた歯垢や歯石が原因ですので、ブラッシングやフロス、歯間ブラシの徹底と歯科医院での除石が必要です。歯の汚れが無くなると治って行きます。
気を付けて頂きたいのは、薬剤やレーザー等によるピーリングで全ての色素沈着物を除去できる訳ではありません。例えば、先天性メラニン体質や治療中に金属を削った時、金属の粉が歯肉の深い所に入り込むとタトゥー(入れ墨、刺青)のようになって仕舞います。こういうように歯肉の奥深い所まで入り込むとレーザーでも薬液でも除去できなくなります。
又、心臓疾患の為、血液の循環に異常があると、歯肉や口腔粘膜が紫色になる事があります。これは色素沈着ではありませんので、ピーリング等をしても改善することはありません。

口呼吸について

呼吸は、正常であれば無意識に鼻でします。しかし鼻詰まりが続くと、鼻呼吸が出来ないために口呼吸になってしまいます。
長い間、口呼吸をしていると、口唇が乾燥してヒビ割れたりします。又、歯肉には乾燥した所としてない所にハッキリとした境界線出来たり、堤防状に盛り上がったりします。さらに、歯に付着している歯垢が乾燥すると歯にこびり付いて、口臭の原因にもなります。
口呼吸も好ましくありませんが口腔習慣の1つです。成長や発達が著しい幼児期に、長期間、口呼吸が続くと、顎の成長や歯の生え方に悪影響を及ぼします。例えば上や下の顎が出っ張たり、奥歯しか噛み合わなくなったりします。前述のようにこういう噛み合わせをオープンバイト(離開咬合)と言います。
口呼吸によって顎骨の形が変形してしまうと、ますます唇を閉じることが困難になってしまいます。後で鼻や喉の問題が改善されても、口唇は開いたままで、もはや鼻呼吸が出来なくなってしまいます。
幼児の長期にわたる口呼吸には、何らかの原因がありますので、耳鼻咽喉科等と連携をはかりながら、出来るだけ早く口呼吸を改善しなければなりません。アレルギー性鼻炎やアデノイド等が無いか、早い時期に検査しておくことをお勧めします。

保隙装置について

乳歯が、虫歯や外傷等によって自然の生え変わりよりも早く脱落すると、その周りの歯が脱落して出来た隙間を埋めようとして移動します。すると脱落したスペースに生え変わるはずの永久歯が萌出できなくなってしまいます。ですから、もし自然脱落する前に早く脱落してしまった時、そのスペースを維持する為に、保隙装置を装着します。この装置には、入れ歯のようなタイプとワイヤータイプがあります。
入れ歯タイプは取り外しができる為、歯の清掃がし易いです。
ワイヤータイプは固定式ですから、入れ歯タイプと違って装着し忘れる事はありません。
どちらの保隙装置も、歯科医の定期的な管理が必要です。そして永久歯が生えるまで使います。
今回はここまでにさせて頂きます。次回も「幼児期に起こりやすい歯と口の病気」の続きを
お送りいたします。