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高齢期になって現れやすい歯と口の病気2 ─高齢者の歯と口の中の状態8

著者:デンタルオフィス湊

高齢期になって現れやすい歯と口の病気2
おはようございます。今回は熱田の「高齢期になって現れやすい歯と口の病気2」を書かせて頂きます。

(7)歯がしみる

歯を磨く時、冷たい物を飲んだ時、熱いものを含んだ時、甘い物を食べた時など、歯がしみたりする事がありませんか。それぞれ、原因と対応が違いますので、順に説明したいと思います。

①歯を磨くとしみる
歯と歯肉との境目あたりがピリツとする場合があります。これを「歯頚部知覚過敏」と言います。歯肉が少し下がって、歯の頭の部分と根の部分の境目が見えてきた頃、よく症状として現れます。
この場合、歯磨剤の多用も1つの原因となっていることが多いようです。先ずは、1週間から1ヶ月間位、歯磨剤を使わないで、歯ブラシだけで歯磨をしてみて下さい。殆どの場合、これで症状は治まります。歯磨剤を再び使いだすと、又しみるということになるかもしれません。そんな時は、知覚過敏を抑える薬の入った歯磨剤を使ってみる事をお勧めいたします。(例:シュミテクト、ハイテクトS、シュミナイン、センシティブなど。)

②冷たい物がしみる
この症状も多くは前述の歯磨きの時、しみるのと合わせて起こり、場所も歯と歯肉の境目が多いようです。歯周病で歯肉が下がり、根の部分がかなり露出している場合などに起こりやすいです。それ以外には、治療直後の歯、むし歯(齲蝕)になっている歯、歯にヒビが入ったり、割れたりしている歯などでも起こります。治りにくくなる前に是非、歯科を受診してください。

③熱いものでしみる
この場合は重度のむし歯があるか、歯の神経(歯髄)がかなりダメージを受けている場合です。早めに歯科を受診して下さい。噛む力が強い高齢者では、むし歯は無くても歯にヒビが入って割れて、この症状を起こしている場合もあります。

④甘い物でしみる
これは殆ど虫歯が原因となっています。それもかなり重症の時が多いようです。症状が収まっても治った訳ではありません。安心せず、歯科を受診してください。

(8)噛むと痛い、噛むと変な感じ

これらの症状は大体決まった歯に現れていると思います。その歯を鏡などでよく見てみ
て下さい。虫歯などで穴が開いていませんか。又、虫歯の穴に食べ物が詰まっていると、
噛むと痛みます。水やお湯でしみたりする症状も合せて現れたりします。
虫歯の穴が無い場合、歯と歯の間に物が詰まっていませんか。こんな時も噛むと痛みや
違和感があります。
それ以外にも歯にヒビが入っている場合、歯ぐきが歯周病になっている場合、歯の先端
に病気がある場合などがあります。自分一人では治す事が出来ませんので、とりあえず歯
科の受診をお勧めします。

(9)歯の付け根が黒くなった

タバコを吸っている方や、お茶、コーヒー、ワイン等を多く飲む方は、ヤニや渋が良く
付着すると思います。歯周病などで歯の根が歯ぐきから出ていると、余計に付着しやすい
のです。ヤニや渋は薄く、層状に付着し、それ自体は歯や歯肉に殆ど害はありません。
付着物が凸凹しているようならそれは歯石です。これは歯周病の原因にもなりますし、
不潔なものですので、歯科で除去してもらって下さい。
付着物以外、歯自体が黒ずんでいる場合はむし歯だと思います。根は歯の頭の部分より
柔らかく弱いです。ですから、むし歯になり易く、おまけに歯と歯の間がすいたりしてく
ると、歯磨きも難しくなって、汚れがなかなか取れず、むし歯になってしまいます。歯磨
きだけではなく、歯間ブラシやフロス、水歯磨で清掃してください。

(10)歯が黄ばんできた

年齢と共に歯は徐々に黄ばんできます。べっこう色の様になる方もいます。これはいく
ら歯磨剤を多量に使っても白くはなりません。程度は人によって様々です。歯の神経の治
療をした歯などでは周りの歯より、余計に黄ばんだり、黒ずんだりする場合もあります。
ある程度なら、ホワイトニング(漂白剤)で白くする事もできますが、暫くすると後戻り
します。ホワイトニングは保険の効くものと、効かないものがあります。歯科で相談して
みて下さい。

(11)一度治療した歯が痛む

虫歯で充填物(詰め物)を詰めたり、クラウンなどを被せた歯でも、時として、虫歯
が再度、進行したり、歯の神経(歯髄)が炎症を起こして、痛んだりする事があります。
治療したからといって、歯の手入れを怠らないでください。詰めたり、被せたり、したと
ころは、自分の歯よりも弱いものです。ご自分の歯以上に、優しく磨いて下さい。
歯の神経を取った歯も、時として痛んだりする事があります。「神経が無いはず
なのに。」と思われるかもしれませんが、歯を支えている歯ぐきなどが腫れて歯周病になる
と、歯に神経が無くても痛みます。その他、一度神経(歯髄)を治療した歯が再び悪化す
る事もあります。
いずれにしても出来るだけ早く、歯科を受診して調べてもらって下さい。

(12)入れ歯のバネをかけた歯が虫歯

入れ歯(義歯)のバネ(クラスプと呼びます)をかけた歯は汚れやすいですし、力が多
くかかっている歯です。丁寧に歯の周囲、入れ歯と接している隣の面は、特に丁寧に歯磨
きをして下さい。
忘れてならない事は、入れ歯も綺麗に洗ってあげることです。バネの部分など洗い難い
と思いますが、歯ブラシで擦ってあげてください。同時に入れ歯用の洗浄剤も使われると
良いでしょう。
虫歯を見つけたら早めに治療を受けて下さい。早いうちですと、あまり大掛かりに入れ
歯を作り変えたりしなくても、修理で済む場合が多いようです。

(13)奥歯も虫歯だが、前の歯を早く治したい

前の歯が1本無くても、それが少し欠けただけでも、目立つものです。気になるお気持
ちも良く解ります。多分すぐに歯科医院に行かれる方が多いと思います。そんな時、「奥歯
を治してから前歯を治しましょうか。」と言われ、不満に思われる方も多いはずで
す。奥歯の支えが前歯を保護しています。その為、奥歯をしっかり治してから前歯を治す
のが、正しい治療です。
こうした理由で、歯科医師は前歯の治療の前に奥歯をという事になる訳です。とはいえ
前歯は目立つところです。先生に自分の希望を十分話してください。出来ればご自分の希
望をメモにして渡してください。

(14)歯が1本だけ残っている

入れ歯の部分が段々大きくなり、犬歯1本とか、親知らず(智歯)、下の前歯とかが残っ
てしまう場合が時としてあります。最後の1本ともなると、なんとしてでも残しておきた
いというお気持ちは十分判ります。しかし抜いてしまった方が入れ歯が安定する場合もあ
ります。自分一人で悩まずに、自分のお気持ちもしっかり伝えた上で、歯科医師と十分相
談して、どうするか決めて下さい。必ず、治療計画書を作成してもらって下さい。

(15)歯が尖って、舌や頬に当たる

歯を食いしばったり、歯軋りする人、或いは硬い物を好んで食べる人は、奥歯がすり減
ったり、欠けたりして歯が尖ってくることがあります。また、そこと接している舌や頬が
傷つけられ、痛くなったり腫れたりする事があります。
歯科で尖った角を丸めてもらうなり、診てもらって下さい。歯がすり減らないように予
防策も相談してみてはどうでしょうか。
*歯を抜きたくないのですが…
歯科医師が抜く事を薦める場合、それなりの理由があります。是非その理由をよく聞い
てみて下さい。それでも抜きたくない場合は、その旨、歯科医師とよく相談してみて下さ
い。

(16)高齢期の虫歯の特徴とその治療

虫歯は元来、乳幼児期に多発する病気ですが、高齢期にも再び多発期があります。ただ
この時期の虫歯は、歯の根の部分に多く発現してくるのが特徴です。乳幼児期の虫歯は歯
の頭の部分など、特に溝の部分や歯と歯の間などを原発としていますが、高齢期のものは
加齢や歯周病などによって、歯ぐき(歯肉)が下がり、歯の根の部分が露出してきた部分
に多く起こります。根の部分は頭の部分に比べて、虫歯に対する抵抗力は著しく劣ります。
おまけに歯と歯の間がすいてきたりして、汚れやすく、磨きにくい環境になっています。
プラーク(細菌の塊:虫歯の原因)が付着すると、歯ブラシだけでプラークを除去する
のは困難です。そんな時、加齢とともに甘い食物に対する味覚が鈍感になったりして、甘
い物が増えたりすると、たちまち虫歯になってしまいます。注意して下さい。
おまけに、高血圧などで薬などを服用していますと、唾液の量が減らされて自浄作用が
減ってしまいます。その為、ますます歯は汚れやすくなります。
薬を飲んでいる方は、特に念入りに歯磨きを心がけて下さい。甘い物もなるべく少なく
した方が安全でしょう。
歯磨きには、歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシという補助道具も重要です。歯科で使い方を教わってから、使ってみて下さい。
虫歯の治療に関しては早期発見・早期治療が原則です。しみるなど、ちょっとした症状
でも先ずは受診してみて下さい。ちょっと遅れると、たちまち歯の神経(歯髄)の治療が
必要になってしまう場合が多いのも、この時期の虫歯の特徴です。
又、特に症状が無くても、定期的に歯科でチェックしてもらう事は、歯やお口の健康を
守るうえでとても大切です。
「高齢期になって現れやすい歯と口の病気」はこれで終わります。次回は「高齢期になって現れやすいあご(顎)・顔面の病気」をお送りいたします。