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幼児期の口の中の状態2 ─妊娠期と乳幼児の歯と口腔内の特徴24

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。関東地方も梅雨入りしましたね。
今回は院長先生の第24回目のコラム、「幼児期の口の中の状態2」です。

4食べる機能の変化(食べ方の変化)

①咀嚼運動
咀嚼運動は本能ではありません。つまり、教えたり、練習したりする必要があります。食欲や性欲、集団欲は学習する必要がなく、いわゆる本能です。
哺乳時の吸啜運動は、胎生期の早期から発達している先天的な獲得機能です。咀嚼運動がどのような段階を経て成熟して行くのかについては、まだ良く解っていません。現在、解っていることを簡単に説明します。乳前歯が生える前は上下の顎堤(乳前歯が生える部分)を閉じても前歯部に相当する部分は凹んでいます。これを「顎間空隙」と言います。吸啜時に、その隙間から舌が前に出るようになっています。(口の中を陰圧にします。いわゆる「乳児型嚥下」という)乳前歯が生えると舌は、歯の内側から外には出なくなります。歯の萌出に伴って口の中の容積が大きくなって行きます。歯は口唇と舌の圧力によって、もぐ内側に傾いり外側にたおれたりしにくくなっています。やがて固形食品も食べられる様になっていきます。この時期、特に気を付けて欲しいのは、食品を喉に詰まらせない様にする事です。ゼリーやコンニャク、餅、飴、錠剤等は詰まり易いので、大きさや形を工夫しなければなりません。例えば、トローチの様に薬の真ん中に穴を開けておくと、喉に詰っても窒息しません。ゼリーやコンニャク等は、子供さんの喉に詰まらない様に小さくする必要があります。そして出来る限り唾液で溶けるように工夫すべきだと考えられます。前述したように乳歯が生える前は、離乳食を唇で捕食し、舌と唇で噛む、いわゆる「パクパク運動」や「モグモグ運動」で食べます。この時はこの時は顎を上下に動かすだけです。しかし乳前歯が4本揃うと、前歯で捕食する様になり、乳前歯で捕食出来る様になり、乳臼歯が生えると顎を上下だけでなく、左右にも動かして、葉物等を食べられる様になります。いわゆる咀嚼運動が出来る様になります。

②嚥下運動
嚥下とは、「食物が口の中から胃に送られるまでの運動」を言います。
この運動は、簡単な運動の様に見えますが、実はとても複雑です。この運動に使われる神経は30以上だと言われ、下記の様に第3相に分かれています。これは成人型嚥下と言われています。
第1相(口腔相)は随意 運動
第2相(咽頭相)は不随運動(反射による)
第3相(食道相)は不随運動(反射による)
整理しますと、嚥下には乳児型と成人型があります。
乳前歯が生える前の嚥下を乳児型、乳前歯上下8本生えると成人型嚥下に変わります。ですから乳歯が全部生えても嚥下のたびに舌が上下の間から出てくる様でしたら、歯科医院で診てもらって下さい。

5、話す機能と言葉

年齢による言語の理解と表出(発語)について、大雑把に説明したいと思います。先ずは1年毎の成長を見てみましょう。

①0~1歳(aは言語の理解。bは発語)
a、言語の理解としては「バイバイしなさい」とか「自分の名前」が分かる、又は「ナイナイバー」を喜ぶ。
b、あやすと声を出す。喃語(意味不明の言葉)を話す。
この喃語が、この喃語が、言葉の基だと考えられています。

②1~2歳
a、簡単な指示に従う。(「口を開けて」とか「見て」等)
およそ120~270語が理解できると考えられています。
b、生後12ヶ月頃までに1~3語位話す。
生後18ヶ月頃までに15~20語位話す。
生後2歳頃までに200語位話す。
1歳半頃から名詞だけでなく、動詞や形容詞を付けて、語文を話すようになります。

③2~3歳
a、2歳半頃までに400語位を理解する様になります。
3歳頃までに約2倍の800語を理解する様になります。
2つの動作の指示に従うようになります。(歯磨きして寝なさい。)位置関係が分かるようになります。
b、300~500語を話すようになります。
3語~4語を話すようになります。
発音、発語がとても盛んになります。
言葉の流れがつかえたり、反語を繰り返したりします。
2歳から2歳半頃になると現在、過去、未来、いわゆる時制が分かるようになります。形容詞や副詞が増えてきます。

➃3~4歳
a、およ500語位が理解できるようになります。
簡単な質問に答えられる様になります。(例、パパはどこに行ったの?)
複文が理解できるようになります。
語彙数が各1年毎の区切りでは最も多くなります。
b、600~1000語、話すようになります。
話す文構造は、まだ単文です。
3歳を過ぎると接続詞も話すようになってきます。

⑤4~5歳
a、1500~200語が理解できるようになります。
「いつ」「なぜ」等簡単、簡単な質問が分かるようになります。
b、1100~1600語位話すようになります。
4~6語文を話すようになります。

⑥5~6歳
a、2500~2800語が理解できるようになります。
使役や受身文が理解できるようになります。
複文もこなし、流暢さに問題が無くなります。
発音は成人とほぼ同じになります。
言葉を理解し、そして話すという事は、人間が獲得した最大の能力の1つといえます。これによって社会を形成し、社会を大きく広げられるようになりました。
言語の発達は、精神や心理の発達状態を表します。ですから、中枢神経系の発達や赤ちゃんをとりまく環境からの学習状況をある程度読み取ることが出来ます。もし精神的発達遅延や、著しく変わった環境下で育ったわけでも無いのに、言葉が話せない時は、聴覚障害や口腔器管の異常を疑う必要があります。
言語の発達は、言葉の理解よりも早く発語が先行します。つまり、意味が分かっていなくても、言葉として発せられます。
言語発達も運動全般の発達も女児の方が男児より早い傾向があります。又、御両親が無口だったり、逆に子供さんが話そうとしている時に、御両親が先に話してしまう、せっかちな親の子供は、言語の発達が遅れてしまう傾向があります。
発音障害の原因としては、唇裂や口蓋裂、舌小帯短縮症、歯列不正、歯の欠損等があります。もし発音が変であれば、歯科や耳鼻科を受診されて下さい。

今回はここまでとさせて頂きます。次回は「幼児の口の中の状態3」を掲載さて頂きます。