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続・乳幼児の口の中に起こる病気 ─妊娠期の歯と口腔内の特徴 18

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。1月も半ばになりました。センター試験も終わりました。毎年、思う事ですが、こんなに地域によって天候による不利益が出る季節にやる必要があるのだろうか?という事です。何とかならないのでしようか?でも、冬はこれからが更に厳しくなりそうですね。
今回は院長先生のコラムです。第18回目です。
「続・乳幼児の口の中に起こる病気」
主な病気を9つ挙げて説明したいと思います。前回で5つの病気を説明しました。

6、萌出性歯肉炎(eruptive gingivitis)

①症状:歯の生え始めは、歯と歯肉の間の凹が出来ます。ここに食べカスが溜まる不潔
になり、歯肉が赤く腫れたり、食べ物が当たると痛んだりします。炎症が酷く
なると熱を出したりします。風邪を引いたり疲れてる時に起こり易くなります。
これを萌出性歯肉炎と言います。
②原因:歯が生え始めて、萌出しきるまでの間は、歯と歯肉の間に窪みが出来ます。ここに食物残渣が溜まりプラークが発生し炎症を起こします。又、歯が完全に萌出していないと、歯冠外形から歯肉が保護されません。その為、食物が連続的に歯肉に衝撃を与えるので、炎症が起こり易くなります。
③治療:歯が萌出し切ると自然に治ります。腫れが強い時は抗生剤を投与します。そして患部を清掃します。
④予防:歯が萌出し切るまでは、口の中を清潔にし、窪みの食べカスを嗽で除去します。小さい子供さんは嗽が出来ない時は、食後に水を飲ませて、汚れを流してください。

7、口腔カンジダ症(candidiasis (moniliasis))

①症状:生まれて間もない赤ちゃんに見られる事が多い疾患です。口唇や頬粘膜、舌、
歯頚等に白く柔らかい白苔が見られます。この白苔を剥がすと、赤くただれています。ミルクのカスと間違えられることもありますから、注意されて下さい。
②原因:口腔カンジダ症は、常在菌であるカンジダ・アルビカンス(candida albicans)と言う酵母菌様真菌が、体の抵抗力が減退(免疫不全状態)すると、増殖して、この病気を引き起こします。
③治療:カンジダに有効な薬を患部に塗ったり、口に含ませたりします。主な薬はアムホテリシンB、ナイスタチン、フルシトシン、ヨード剤、ピオクタニンブル等です。
④予防:口の中を清潔に保ち、体力を消耗させない事です。

8、エプーリス

①症状:一般に歯間部歯肉乳頭部に腫瘤(こぶのような物)が出来ます。色や固さは種類によって異なりますが、周りの歯肉の色と同じか、やや赤みがかっています。硬さは弾力のある物から、固いものまであります。表面は滑らかな物や少し凸凹があります。
②原因:エプーリスは、歯肉の結合組織、歯槽骨、歯槽骨膜、歯根膜から発生します。原因は不明ですが、誘因として不適合な金属冠や充填物、補綴物等の機械的刺激、或いは、歯石や残根、歯肉炎等の慢性疾患による炎症刺激、そして卵胞ホルモンや黄体ホルモン等の内分泌の異常が関係していると考えられています。
③好発:20~30代の女性に多い病気です。まれ」に先天性エプーリスと言って、生まれた時にできてたり、小さな子供にも見られる事があります。好発部位は上顎の前歯です。成長は緩やかですが腫瘤が大きくなると、歯槽骨を圧迫吸収したり、歯が傾いたり、離開したり、グラグラしたりします。
④治療:歯肉や歯槽骨の一部や骨膜を、エプーリスに含まれてる部分を、完全に全部、外科的に切除します。
エプーリスに関与している組織を取り残すと再発します。

9、小帯の異常(anomaly of frenulum)

口腔には7つの小帯があります。上下唇小帯、上下さ左右頬小帯、そして舌小帯です。
①症状:各小帯毎に症状が異なりますので、各々の小帯について説明します。
(ア)上唇小帯:上唇を上に引き上げた時、上唇の裏側にスジの様なヒダがあります。これが上唇小帯です。これに異常があると、両中切歯の間に入り込み、正中離開が起こったり、発音障害や話している時に醜い顔になったりします。下唇小帯は殆ど問題ありません。
(イ)頬小帯 :頬小帯は上顎では殆ど問題が起こりません。上唇小帯と下唇小帯と真逆です。下頬小帯では、付近の歯に周囲炎を起こし易く、義歯の安定を妨げたりします。更に付近の歯肉を引っ張る為に、歯肉が退縮して歯根が出てきたリします。歯根が出ると知覚過敏が起きたりします。勿論、審美的に老けて見えます。
(ウ)舌小帯 :舌小帯の異常は、舌小帯が短い為に、舌の前後運動が制限されてしまいます。哺乳困難や言語障害を起こす事があります。舌小帯が短いかどうかを知る目安として、舌を前方に突き出した時、舌の先が凹む人は短いと思われます。或いは「舌打ち」をして、タンという音が出せなければ短いと考えられます。
②原因:いずれの小帯も以上の原因は発育不全や発育停止と考えられています。
③治療:障害がある時は手術をします。乳歯の正中離開は手術せず、経過観察をします。
④注意:小帯が歯磨きする時に、妨げになっていないか、必ずチェックしてみて下さい。分からない時は、歯科を受診されて下さい。

次回は第19回目で「口唇裂と口蓋裂」についてお話しします。