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乳幼児の口の中に起こる病気 ─妊娠期の歯と口腔内の特徴 17

著者:デンタルオフィス湊

メリークリスマス!今朝は暖かな朝ですね。今日の日中は10℃を越えるという予報でした。水曜日から又寒くなるようです。大掃除がまだのお宅もあると思います。風邪をひかないで年越しをしたいですね。
今回は院長先生のコラムです。
第17回目です。今回は「乳幼児の口の中に起こる病気」についてお話しします。主な病気を9つ挙げて説明したいと思います。

1、上皮真珠

①症状;生後、間もない赤ちゃんの歯肉や上あごの歯列の内側に直径約1mm~数mmの白い小さな球形の粒ができることがあります。1個だけの単発的なものから、数個が集まって出来る事もあります。これを上皮真珠と言います。この粒がやや真珠に似ているために命名されました。しかし、真珠の様に硬くはありません。中にはクリーム状のものが入っています。
②原因;歯を形成する組織が、歯を形成した後に吸収されるのが一般的ですが、何らかの理由で吸収されず、その組織が残って変化したものと考えられています。歯が生えて来る所に出来たものをセルレス上皮真珠と言います。上顎に出来たものをエプスタイン上皮真珠と言います。下顎よりも上顎に多く見られます。
③治療;必要ありません。ある調査では、新生児室にいる赤ちゃんの約40%の上皮真珠が見られたそうです。しかし、歯科を受診する赤ちゃんには殆ど見られません。上皮真珠は自然脱落していると考え
られています。ですから治療する必要はありません。又、その後の乳歯の生え方にも問題はありません。

2、先天性歯(congenitalteeth)

①症状;生まれた時、すでに歯が生えていたり、生後1ヶ月以内(新生児)に生えてきた歯を先天性歯と言います。一般的には乳歯は生後4ヶ月~半年頃に生えてきます。発生頻度は約0,1%と言われています。最初に生えるのは、下の前歯(乳中切歯)が一般的です。
先天性歯には早期生歯(earlyprematuseeauption)と過剰歯(supernumerarytooth)があります。
早期生歯は正常な乳切歯と比べて石灰化が悪い。しかし、歯根も形成されていて骨植は比較的シッカリしています。一方、過剰歯の方は、石灰化は極めて不良で、根形成が認められません。つまり、歯肉にかろうじて付いてる程度です。その為、飲み込む危険性がありますので、抜歯します。
早期生歯の場合、問題が2つあります。1つは授乳中に、お母さんの乳首に傷つけてしまう事です。もう1つは、自分の舌の裏を傷つけてしまう事です。この潰瘍を、二人にお医者さんの名前をとって、「Riga-Fede病」と呼びます。いわゆる「新生児あるいは乳児の舌小帯部にできる褥瘡性(じょくそうせい)潰瘍」の事です。潰瘍面は白色の偽膜形成が見られ、肉芽組織の増殖がみられる事もあるので、「舌下肉芽腫」と言われることがあります。
舌の潰瘍については、次に説明します。
②治療;過剰歯の場合は抜歯します。早期生歯の場合は乳首や舌小帯に傷がつかない様に、乳歯の切端を平らにしたり、レジンでカバーします。それでも上手く行かない時は抜歯します。早期生歯を2つに
分ける事もあります。生まれた時に生えてるものは「出産歯」、生まれてから1ヶ月以内に生えて来たものを「新生歯」と呼びます。
③原因;歯胚の早期形成、位置異常、発育促進等が考えられます。過剰歯は乳歯が形成される前に出来ますが、原因は不明です。現在では、生物の進化の過程における復古型は否定されつつあります。病理学的な原因が支持されています。

3、舌の潰瘍

赤ちゃんの舌の裏に潰瘍が出来る事があります。原因は前述の先天性歯や萌出中の下顎中切歯に舌の裏が擦れる事や口内炎や授乳中や咳嗽(百日咳、喘息、感冒等による咳)によって舌の裏に潰瘍が出来る事があります。このような潰瘍を二人のお医者さんの名前をとって、リガ・フェーデ病と呼びます。
症状は、初期の頃、ジフテリア様に見える舌下肉芽腫が現れ、えんどう豆大から胡桃(山胡桃)の実の大きさになったりします。
治療は、先天性歯のギザギザを平滑にしたり、レジンを充填して丸くしたりします。これでも潰瘍が治らなかったり、お母さんの乳首が痛かったり、歯が抜けて赤ちゃんが飲み込む危険性がある時は抜歯します。

4、舌苔

舌の表面に白色、褐色、黒色の苔状に見えるものを言います。若年者には少なく、中、高年者に発生しやすいものですが、乳幼児でも発生します。原因は、局所的なものと、全身的なのもがあります。
局所的な原因としては、口腔自浄作用の低下、口呼吸、喫煙、等が考えられます。
全身的なものとしては、熱性疾患や糖尿病、唾液腺機能低下によるドライマウス胃や十二指腸潰瘍、悪性腫瘍等が挙げられます。舌苔の成り立ちは、舌の剥離上皮、食物残渣、唾液、微生物、、白血球、リンパ球等が口腔内の乾燥により、舌の表面にある、糸状乳頭と糸状乳頭の間に溜まる事によって形成されます。
治療は、原因になっている病気の治療が先決です。と同時に、口腔内の清潔を保つことが大切です。ミルクのカスは拭き取れますが、舌苔は除去できませんので区別して下さい。

5、萌出嚢胞

これは歯の生える部分に、青っぽく軟らかいふくらみが出来ることがあります。原因は、歯と歯を包んでいる袋との間に液が溜まって出来るもので萌出嚢胞と言います。ふくらみを噛んで、内出血をすると、紫がかって見えます。
歯が生えると自然に治りますので、治療する必要はありません。
今回はここまでとさせていただきます。次回は「乳幼児の口の中に起こる病気」の続きをさせていただきます。