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言葉の発達の遅れ・表情のおかしさ ─幼児に起こりやすい歯と口の病気9

著者:デンタルオフィス湊

今晩は。今日も寒い一日でした。今、各局の天気予報を見て観ましたら、只今4℃、明日の朝の最低気温は0℃~1℃でした。寒さにめげずに、今週も頑張りましょう!!
今回は、熱田のコラムを掲載させていただきます。
幼児に起こりやすい歯と口の病気9

言葉の発達の遅れ・表情のおかしさ

言語発達遅滞はその小児の年齢水準より言葉の発達が遅れている状態を言いますが、言葉の発達には個人差が大きいため、その診断基準は明確ではありません。
平均的な言葉の発達からいうと、1歳前後には有意語(意味のある言葉)が1つか2つ現れ始め、1歳代で有意語が増えて二語文を話すようになり、2歳代では三語文が出てきます。3歳になると自分の名前や年齢が言えるようになり、簡単な質問に答えられるようになります。
しかし、身体の発達や運動能力の発達に比べると、言葉の発達は個人差が大きく、又、環境的な影響を受けやすいものです。小児の言葉の発達状況を評価する為には、全身的な発育、発達状況や保育環境を考慮し、日常生活行動などと合わせて見ていく必要があります。
言葉の遅れに関する訴えは年少児ほど多く見られ、学齢期に入ると顕著に減少します。言葉の遅れは様々な原因によって起こるため、それを見極めることはなかなか困難ですが、又非常に重要な事です。

言葉を話す為の条件

言葉を話す為の条件としては、
①声を出すための運動機能が発達している事、
②聴力が発達していて周囲で話されている言葉が聞こえる事、
③知能が発達していて、その言葉の意味するものを理解できる事、
が挙げられます。これらに加えて、言葉によって自分の意思を伝えたいという意欲が必要になります。
これらのいずれかが不十分だと、言葉の遅れに繋がりやすい訳ですが、これらの条件は、小児自身の発育、発達状況や周囲の環境によって影響され易いものなので、遅れをどの程度から問題視するかについての明確なラインを引きにくい訳です。
一応2歳までに有意語一つでも出れば問題はないとされていますが、2歳を過ぎてしゃべり始めたという子も数%程度は見られ、男児に多いようです。3歳になっても有意語が全く出ない場合には、難聴や精神発達遅滞、自閉症、微細脳機能不全症候群などが疑われるため、専門医の診察が必要でしょう。治自体のよっては1歳半健診から三歳児健診までの間に健診をする所があるようです。その時に子供の様子を保健センターに相談してみましょう。又3歳で有意語が少なく、二語文も出ない場合にも、前述の疾患が疑われる場合と環境因子による言葉の遅れの両面が考えられるので、小児神経専門医のいる医療機関に受診する事もお勧めいたします。
幼児期においては、言葉自体を教え込んで発達させるという訳にはいかず、全体の発達の中で言葉を育てていくのが基本ですので、生活全体の中で、子供が自分から話そう、自分の気持ちを伝えようとする意欲を育てていくことが重要です。
又、幼児期になっても表情が乏しい、視線が合わない、周囲に無関心であることが顕著な子供が見られます。難聴など、感覚器の障害により周囲からの情報が入りにくい場合や、精神発達の遅れや、自閉症の可能性も考えられるため、保健所や専門医に相談してみると良いでしょう。

唾液・口臭

(1).唾液の量が多く感じる時
唾液の量が多く感じる場合は、通常、ダラダラと唾液が口から垂れている状況を見て判断されることが多いようです。このような状況は、唾液腺の病気などでも、当然発生してくるわけですが、幼児の場合には、歯の生える時、或いは口内炎ができているような時が圧倒的に多いようです。
乳歯は、生後6~8カ月頃に、下の前歯から生え始めますが、それ以外の乳歯は、1歳以降の幼児期に生えてきます。歯の生える時は、歯肉(歯ぐき)を破って出てきますので、歯肉炎を起こすこともあります。固い食べ物を避けたり、口の中を指で触る行動があるような時には、生えてきている歯が無いかどうかチェックしてあげて下さい。
また、口内炎は風邪を引いた時や、体力が低下したような場合に発生することがあります。アフタのような小さな潰瘍が点々とできる事もありますし、粘膜面が白色の偽膜で覆われているような場合もあります。成人でもアフタが一つできただけで、食べ物がしみたり、当たるとズキンと痛んだりして唾液の量も増加します。
このように、口の中に痛みのある場合には、唾液の量は増加するのが普通です。食欲が低下したり、発熱のあるような場合には小児科や歯科を受診し、早めに処置をしてもらいましょう。

(2).口臭がある場合
口臭の原因には、大きく三つあります。
一つは、生理的口臭と呼ばれるもので、病気ではありません。
二つ目は、病的口臭と呼ばれるもので、多くは口の中の病気によって発生する事が多いようです。
三つめは、心因性口臭と呼ばれるもので、実際には口臭が強く無いにもかかわらず、自分では口臭がひどいと悩んでしまう心理的なものです。幼児には、心因性口臭の患者さんを見る事はまずありません。「子供の口が臭い」と訴えるお母さんは少なくありません。実際には、それほどの口臭でない事も多いのです。
ところで、成人の口臭は歯周炎(歯槽膿漏)によることが多いのですが、幼児では歯周炎を疑う事はまずありません。
まず、どんな時に口臭を感ずるのかが、口臭の診断には大切です。例えば、朝の起床時であれば、あまり気にする必要は無いと思います。寝る前のブラッシングを丁寧にやってみて下さい。寝ている間は、唾液の量が少なくなる為、口の中の細菌が食べかすなどを分解して、その産物が溜まります。それが口臭の原因となります。これは、口で息をする癖のある子どもの口臭と、ほぼ同じ理由です。
口臭のほとんどはこの種類ですが、穴の開いたような虫歯が放置されている場合には、起床時だけでなく口臭が発生するので、チェックしてみて下さい。

口の中に症状が現れる全身の病気

(1).Papillon-Lefevre(パピヨンールフェーブル)症候群
手のひらや足の裏がざらざらしたり、異常に硬くなり、ひどい場合はひび割れも起こします。(手足の過角化)。又、乳歯や永久歯の歯周組織が破壊され、早くに歯が無くなります。
100万~400万人に一人という発現頻度で、極めてまれな病気です。血族結婚の家系に発現しやすいことから、遺伝性疾患と考えられています。
手足の過角化は2歳頃から始まり、肘や膝にも起こることがあります。乳歯の発育や生え方に異常はありませんが、歯周組織の破壊は乳歯が生えると同時に起きます。大人の歯周炎と同じような症状が見られ4歳頃までに乳歯は抜けてしまいます。その後、歯肉炎は治りますが、永久歯が生えてくると、乳歯で起こったと同じような経過をたどり、永久歯も抜けてしまう事が多く、極めて治療が困難な病気です。

(2).若年性糖尿病
糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島で作られるインスリンが不足して起こる病気です。若年者に起こる糖尿病は、急激に発症します。口の中が乾燥したり、歯肉や粘膜に炎症が見られ、重症になると歯槽骨(歯を支えている顎の骨)も吸収します。高血糖によって身体の防御の役目をする白血球の機能が障害され、感染しやすくなります。
糖尿病がコントロールされていない時は、歯を抜いたり歯周病の治療を受ける前に、感染防止の為に抗生物質などを飲んでおく必要があります。
院長先生が乳幼児の歯科的な事から全身的な事までコラムに書いてくださっていますので、高齢者について書いていきたいと思います。次回は「高齢期の歯と口の中の状態1」を書いていきたいと思います。