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咀嚼 ─幼児に起こりやすい歯と口の病気8

著者:デンタルオフィス湊

今晩は、今日も各地で今年一番の寒さとなったと伝えています。これから毎日のようにこの言葉が天気予報で言われるようになりますね。今日は、ダウンコートやブーツ、灯油ストーブと寒さ対策の用意をしました。風邪をひかない様にしたいものです。
今回は熱田のコラムを載せさせていただきます。
幼児に起こりやすい歯と口の病気8
今回は「咀嚼」と関連する症状についてです。

咀嚼

1歳半頃は、乳前歯で噛み切る事は出来ますが、奥歯が生え始めても、噛み合っていない為、繊維の強い食品や硬い食品は咀嚼する事が出来ません。その後、3歳過ぎまでに、奥歯が生えて噛み合う様になるに従い、咀嚼が上手になります。それにプラスして、子供の食べる意欲を引き出すような工夫も大切です。
子供の歯が生えるのに応じて咀嚼の発達が進むようにします。
①上下の前歯が生えてきたら前歯を使って噛み切れるような物を与える
②上下の奥歯が生えてきたら硬い、繊維に富んだ食物を食べさせ始める
③早食い、過食にならないよう噛んで食べる調理の工夫をする。(良く噛まなければ飲み込めない食物を取り入れる。)
④薄味でも満足感が得られるようにゆっくり噛ませる事
などが必要です。

(1)片側の奥歯でばかり噛む

虫歯があったり、上下で上手く噛みあってなかったり、口内炎があったりすると、片側ばかりで噛むようになります。噛むという動作は顔を首の筋肉を使います。一方ばかり使っていると、筋肉の運動が左右不均衡になり、顔の発達も不均衡になります。又、噛むことは、脳にも刺激を与えていると言います。ですから脳全体に刺激を与えるためにも両側で噛むことが必要です。片側ばかりで噛んでいるのに気づいたら、口の中をチェックして、歯科医に相談してください。左で噛んだり、右で噛んだりすると、食物が舌の上(味覚を感じる)を通るので、美味しいという事を知らせるにも良い方法です。

(2)良く飲み込めない

飲み込み(嚥下)の動きは離乳期に覚えます。上手にできない時の原因としては、①嫌いな食品、②噛み潰せない食品、③パサパサした水分の少ない食品、④食べる意欲の無い時、⑤一口の量が多すぎる、⑥鼻疾患で鼻呼吸が上手くできない、など多くあります。
日常の食事場面でよく観察して、飲み込めない原因を知り、対応する事が大切です。
飲み込みやすい滑らかな食品を献立に入れるなども工夫の一つです。

(3)良く噛めない(硬い食物が噛めない)時は

食べさせた食物の硬さなどが子供の機能にあっていないのではないか、と察して、硬さや、大きさ、野菜や肉の繊維などを、子供の奥歯の噛み合う程度や噛む力に合せる事が望まれます。
奥歯の生え具合や上下の噛み合わせをチェックして、食物の硬さなどを選んで食べさせてください。

(4)繊維質の食物が口に残る

繊維の強い野菜や硬い肉の繊維などは、磨り潰すのに相当な力を必要とします。健康な大人でも、口に残ることがあります。子供が食べたがっている時には、あらかじめ繊維などを包丁などで細かく切って与えるなどの工夫をして下さい。
繊維質が口に残るような食物は、乳臼歯が生え揃ってから与えても良いでしょう。

(5)チュチュという哺乳の運動で食べている

上下の前歯が生えると、哺乳の運動は、ほとんど見られなくなります。1歳を過ぎてもチュチュ食べが見られるようでしたら、口蓋(口の天井の部分)に食物が押し付けられて溜まっているか観察して下さい。もし溜まっているようでしたら、正しく食べられるようになるまで、パンなど口蓋に付いて溜まりやすい食品を避けて、チュチュ食べが習慣化しないように注意します。また精神的に不安であったりストレスが溜まったりすると指しゃぶりと同様にみられる事があります。食事を楽しめるように、声かけをしたり、外遊びを増やす様にしてください。

(6)噛まずに丸呑みする

口に入った食物の硬さや大きさに応じて噛む動きが引き出されます。食物を前歯で噛み取ることなく、ミンチ状にして、スプーンで与えると噛まずに丸呑みします。成長に合わせた食べさせ方をさせて下さい。食べる意欲や噛む力が強い子は、意欲の少ない噛む力の弱い子に比べて早く飲み込むように感じます。食べ方を観察して、噛んで食べる美味しさを教えてあげましょう。

(7)口に溜めたまま飲み込まない

食の細い子、食べる意欲が弱い子などに、噛み潰しにくい食物や調理形態を与えると、途中で口に溜めたまま咀嚼を休む事があります。積極的に身体を動かしたり、或いは、空腹状態を作ったりする工夫が大切です、親が子供の必要量を知らなければなりません。
特に低出生体重児の場合などには、大きく成長させたい周りの大人の意識が優先して、食べる事を無理強いしている場合もありますから、注意しましょう。

(8)前歯を使って食べる、臼歯を使って食べる

口の成長変化が著しいのが幼児期です。上下の歯の噛み合う状態によって、噛んで処理できる食物種類が急激に変わります。
口の中の成長は、幼児の食べ方に強く影響します。特に乳前歯と乳臼歯の噛み合わせは、摂取食物の大きさと硬さ大きく関係しています。
前歯で噛み取って口の中に入れ、臼歯で咀嚼して食べる、これが歯を使って食べる原則です。

(9)噛まない子、飲み込まない子

「噛めない、飲み込めない」のは、離乳期の機能の発達途上の子に見られますが、実は未発達では無く「噛まない、飲み込まない」理由は、発達している機能を自ら使おうとしていない子供たちがいます。
その理由は、「早く食べなさい」、「こぼさない様に食べなさい」、「もう少し食べなきゃダメ」などと指示ばかりされていて、食事が楽しく感じられない子に多いようです。いわゆる過干渉です。
食事だけでなく、子供を取り巻く環境に過干渉が無いか見つめ直す必要があるかもしれません。
次回は「幼児期に起こりやすい歯と口の病気9、言葉の発達の遅れ、表情のおかしさ」を書かせていただきます。