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離乳 ─妊娠期の歯と口腔内の特徴 14

著者:デンタルオフィス湊

こんばんは。長らくコラムを休んでしまい、申し訳ありませんでした。今回は院長先生のコラムです。どうぞお楽しみください。

第14回目です。今回のテーマは「離乳」についてです。
離乳の過程を5つの段階に分けて、各段階の特徴や進め方についてお話ししたいと思います。

1、離乳準備期(4~5ヶ月)

1 赤ちゃんは、生後約1ヶ月で指しゃぶりを始めます。そして3~4か月になると手で物が握れるようになります。そうすると、手あたり次第、何でも口に入れたり、舌で舐めたりします。これは乳汁以外の食べ物がこちの中に入ってきた時の準備をしていると考えられます。ですから、指しゃぶりや玩具舐めを止めたりしない様に下ください。また、免疫を高める効果っもあると考えられています。赤痢やコレラ菌等の病原菌には注意が必要ですが、テーブルに落ちたものを食べても問題はありません。

2 口唇と舌の動きの特徴は、口は半開きで、上下唇共、殆ど動きません。舌は、前後運動が中心です。赤ちゃんは、初めてドロドロした離乳食を与えられた時、それをどうしたらよいのか分移入初期す。つまり、舌で巻き込むようにして、スプーンや離乳食捕えます。舌を前に突き出しながら、チューチューと吸います。この時期は、主な栄養分は、母乳やミルクから取り、離乳食からの栄養補給は期待しないようにします。あくまでも「スプーンの使い方のトレーニング」だと思って下さい。

2、離乳初期(5~6ヶ月)嚥下機能と捕食機能の獲得時期

①この時期は、嚥下機能獲得と捕食機能を獲得する時期です。嚥下機能、つまり飲み込む事ができるようになる為の機能です。今までのおっぱいやミルクを飲みこむのと違って、口を閉じて飲み込む方法です。人は、唾液腺から分泌されるツバ(唾液)を1日に何百回も飲み込んでいます。この飲み見方(嚥下方法)は、シッカリ閉じて舌を上あごに付けて飲み込みます。この嚥下方法で、極めて重要なのは誤嚥しない様に、呼吸との協調です。
よく耳にすると思いますが、「赤ちゃんの首が座る」様になる事が大事です。赤ちゃんの首の筋肉が発達しないと「首」が座りません。首の筋肉が発達しないと、嚥下と呼吸が協調しない為に、誤嚥する可能性が高くなります。又、飲み込む時に口唇がパクパクして、時々、内側(口の中)にクルっと入ったりします。この直後に飲み込んでいます。この時期に最適な食べ物は、固形物の入っていない、プレーンヨーグルトのような物です。
赤ちゃんの口元や動作、姿勢をよく見て、赤ちゃんに合わせながら、楽しく練習をして下さい
次は捕食機能の獲得についてです。嚥下機能を獲得すると、口唇で取り込む「捕食」の仕方を、少しずつ覚えていきます。

始めの頃は、顎を数回ガクガクと、単純な上下運動で捕食しようとしますが、スプーン上の食べ物を上手く口の中に取り込めません。しかし暫くすると、1回の開閉で上手に取り込むようになります。食べ物が落ちない様にスプーンを口の奥に突っ込んだり、口蓋にこすりつけたりしてはいけません。なぜなら、赤ちゃんが口を閉じる練習ができなくなってしまいますから。座位を取ると、なおさら、こぼれ易くなります。しかし、捕食機能も、赤ちゃん自身が習得しなければなりませんから、出来るだけ赤ちゃんだけの力で捕食させてください。赤ちゃんだけの力で捕食させるには、スプーンを下唇の上に乗せて、赤ちゃんが、上唇で食べ物を取り込むのを待たなければなりません。取り込んだのを確認してから、スプーンを引くようにして下さい。スプーンを口の奥まで入れると、舌を前に突き出して飲む癖がついてしまう事があります。離乳の準備期では、、飲み込む時口は半開きで、上下唇共殆ど動きませんが、初期になると口唇を閉じて飲み込むようになります。又、上唇の形を変えないで、下唇が内側(口の中)に入る様になります。舌の前後の動きはまだ少し残っています。

3、離乳中期(7~8ヶ月)押し潰し機能獲得期

この時期になると、口の中に取り込んだ食べ物を、舌と上顎の前方部にある口蓋ヒダと呼ばれる所を使って、押し潰すようになります。或いは、歯ぐきですり潰すようになります。
食物を口蓋ヒダに押し付ける時に、食物の硬さや大きさ、粘調度等を感知していきます。そして食感をもとに、舌や顎の動きを変えたり、舌で圧し潰したり、歯ぐきですり潰したりします。
この時期に適した食べ物は、豆腐や煮野菜等、舌で潰せる硬さの物です。赤ちゃんに食べさせる時は適度な大きさに切って下さい。そして口の前方で潰し易いように、スプーンで口元に運び、口唇を使って摂らせるようにして下さい。

この時期の赤ちゃんは口唇は、左右同時に伸縮し、上下の口唇がシッカリ閉じるようになります。ですから口唇の厚さは、閉じる前と比べると薄くなります。舌の動きは、今まで前後だけしか動きませんでしたが、上下にも動くようになります。

4、離乳後期(9~11ヶ月)すり潰し機能獲得期

離乳中期で、食物を舌と上顎で圧し潰せるようになったら、次に、押し潰せない硬さで、すり潰せる程度の硬さの離乳食にします。舌で押し潰せなくると、舌を左右に動かして、どこかで食べ物をすり潰そうとします。又、顎も左右に動かして、歯ぐきで食べ物をすり潰すようになります。又、唾液を混ぜて咀嚼運動を覚えていきます。咀嚼運動を外から見ると、下顎の側方への動きや、すり潰している方の口角が縮むのが見られます。これは、唇が頬と顎と協調して、下顎の歯が生えて来る所の歯ぐきから、食べ物が外側に落ちない様にしています。舌は食べ物を歯ぐきに乗せて、内側に落ちない様にしています。

この時期の食物の硬さは、上下の歯ぐきですり潰せる硬さにしてください。柔らか過ぎると咀嚼運動が練習できません。硬すぎると丸呑みしてしまいます。

5、離乳完了期(12~15ヶ月)自立食べ機能獲得期

今まではお母さんの介助によって食事をして来ましたが、歯ぐきで上手に咀嚼が出来るようになる頃に、上下の乳前歯が生えて来ます。乳前歯で玩具等を噛んで遊ぶ事が多くなります。歯と歯槽骨の間には、歯根膜と呼ばれる靱帯があります。歯を歯槽骨に固定する働きのほかに、歯に加わった力の方向や大きさを感知するセンサーの働きもします。前歯部の歯根膜は臼歯部の歯根膜と比べて、非常に敏感です。前歯を使って、食物の硬さを感知すると、その硬さに応じた顎の動きを学習していきます。そして十分学習した頃に乳臼歯が生えてきます。こうして咀嚼がスムーズに獲得されていきます。

この時期には、少し大きめの食物をあげて、手づかみで食べて貰う機会を少しずつ増やしていってください。一口大に切って、スプーンやフォークでばかり与えるのは、機能を発達させる為にはマイナスです。手づかみで食べる事によって、自分が一口で食べられる大きさを学びます。唇と前歯で咬断し、自分の腕や手、或いは目を使って学習していきます。この一連の動作が、スプーン等の食器を使う基礎になります。やがて自分一人で、食器を操作して食べる動作が上手くなっていきます。

次回は、「離乳食の作り方」や「味覚」についてお話します。