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幼児に起こりやすい 歯と口の病気6

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。8月に入って、東京は、曇りか雨の日が21日間続き、日が出ている真夏日が減ってしまいました。プールは人が来なくて、ガラガラでした。あまりに暑いのも困りますが、こんな冷夏も困りますね。

コラムが遅れて申し訳ありません。今回は私、熱田の今迄からの続きを書いていきたいと思います。

口の中の粘膜にできものができた

写真が無いので分かりにくいと思いますが、鏡を見ながら、下唇の裏側や頬の内側を引っ張って指を入れて「ブルブル」動かして見てください。この時、指の動きに沿って動く部分は全て「粘膜」です。歯の周りの部分は幾ら引っ張っても動きません。下の骨に固定されています。その部分が、「歯肉」です。

歯肉だけでなく、幼児の口の中の粘膜も薄くて弱い為、種々の刺激や外傷で直ぐに炎症を起こして赤くなります。粘膜が薄い為、糜爛(びらん)や潰瘍も作られ易く、多くは痛みも伴います。糜爛も潰瘍も粘膜に傷がある状態の事です。違いは、その傷の「深さ」にあります。皮膚には表皮と真皮があります。表皮は僅か0.2ミリ程度の薄いものです。表皮の下には真皮があり、血管、神経、毛包、皮脂腺、汗腺などがあります。更にその下には皮下脂肪や筋肉組織があります。糜爛は皮膚の損傷が表皮までに留まっているものです。潰瘍は皮膚の損傷が真皮以下の組織にまで達しているものです。他に粘膜が袋状になり、内部に液状物が貯留する嚢胞(のうほう)や瘤状の結節のような隆起になる場合もあります。

また、種々のウイルス感染症では粘膜に斑点や水疱の形成が見られます。「はしか」では、皮膚に発疹がでる3〜4日前に、奥歯付近の頬粘膜に灰白色で扁平な小さな斑点(1〜数ミリ)=コプリツク斑が見られます。このように全身的な病気になった時に、早期に口の中の粘膜に変化が現れる事があります。多くは粘膜が赤く腫れて、小さな潰瘍がたくさんできる、口内炎が見られ、その病気の発見に役立っています。

ところで、「嚢胞」や「水疱」の違いですが、水疱とは一般には「水膨れ」と言われるものです。中の水分は損傷した組織から滲み出た血清やたんぱく質などです。嚢胞とは水疱の内容物が白血球(主に好中球)の浸潤により膿汁となり、黄色に見える物です。細菌感染を伴う感染性嚢胞と伴わない無菌性嚢胞があります。

舌が痛い、出来物ができた

幼児には、誤って舌を噛んだり、口に玩具を入りて遊んでいて、舌を強く擦って怪我をする事が時々見られます。このような場合は、その個所に炎症を起こしたり、潰瘍が形成されたりします。その為、飲食の刺激で痛みを訴えたりします。強く訴える場合には歯科医院を受診しましょう。感染部分が広がらないように、損傷部位の消毒や薬の塗布などが必要です。

また、噛んだ部分が舌の裏だったり、唾液腺や粘液腺の排出部を傷つけると、粘液嚢胞(淡い青赤色の液体の入った袋)になる事があります。嚢胞は自然に潰れることもありますが、再び腫れてきます。受診すると、嚢胞全体を摘出手術する治療が行われます。

粘液腺とは主に体表に粘液を分泌する腺を言いま
す。粘液産生細胞によって構成される腺です。口腔、咽頭、気管、その他に分布しています。唾液腺とは、動物の唾液を分泌する腺です。主に口腔に隣接しています。主なものは次の3種で、外耳道の前下部にあり、頬内側の粘膜に開口する耳下腺。下顎骨の下にあり、舌下に開口する顎下腺。口腔底の粘膜下にあり、舌下に開口する舌下腺
です。

舌の裏に糜爛(びらん)がある。

幼児期に下の奥歯の虫歯 (齲蝕=うしょく)が進行して歯の一部が欠けてしまい、先端が鋭利な形となってしまう事があります。硬い歯の鋭利な部分が舌の裏に当たり潰瘍を作る事があります。虫歯をこのような状態になるまで放置しない事が一番の予防です。潰瘍が形成された場合には、痛みで食事の量が減ったり、食欲が減ったりします。虫歯や舌をチェックしてみて下さい。もし、虫歯や潰瘍が見つかったら、歯科医院を受診して下さい。治療は、虫歯の治療と共に、原因となる鋭利な部分を丸くして、潰瘍部分には軟骨を塗布します。

唇を怪我したり、出来物ができた時

顔をぶつけた時に、唇も一緒にぶつけけて傷つけたり、食事中や歯の治療後などに誤って唇を噛んでしまうと、唇が腫れ、潰瘍を作る事があります。受傷部の唇が驚くほど腫れますが、通常は数日で治ります。表面が白くなり、その後にかさぶたになり、かさぶたが脱落して治ります。
怪我で唇が大きく裂けた時は歯科医院を受診して下さい。縫合が必要な事もあります。何れも受傷部からの感染防止の為に清潔を保つ事が大事です。一週間位、毎日、消毒をする事も必要です。
唇を吸う、噛むなどの習慣がある場合には、粘液嚢胞ができる事があります。処置などは「舌」の項を見て下さい。原因となる習癖の改善が再発防止の基本です。

今回はここまでにさせていただきます。次回は「幼児に起こり易い歯と口の病気7」を書かせていただきたいと思います。