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乳児期(新生児期、哺乳期、離乳期)の口の中の状態 ─妊娠期の歯と口腔内の特徴 13

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは。
今週は、梅雨であることを忘れるくらいの晴天が続くようです。
家の中でも、運動をしていなくても、熱中症になってしまうそうです。1時間に最低1回は、心掛けて水分補給をして、乗り切りたいと思います。
コラムの更新が、毎回遅れて仕舞い、申し訳ありません。
なるべくお待たせしない様に、努めてまいります。
さて、今回は、院長先生のコラムです。お楽しみ下さい。

今回、第13回目は、「乳児期(新生児期、哺乳期、離乳期)の口の中の状態」についてお話しします。

乳児期と言われる、新生児期、哺乳期、離乳期のおよそ1歳6ヶ月の赤ちゃんの口の中について説明したいと思います。

1. 哺乳について

出生時の赤ちゃんの口の中には、まだ歯が生えて無くて、お母さんのお乳を吸うために、最適な形になっています。
顎は小さく、歯肉が平らで低いので、舌が口の中に収まりきらず、上下の唇の間から少し見えたりします。
上顎の顎堤(歯ぐき)の中央部が丸く凹んでいて、その周囲は膨らみがあります。頬の内側にも、膨らみがあります。これを脂肪床と言います。これらの形は、お母さんの乳首を口に含むのに最適な形になっています。出生直後でも、通常は胎児期にお乳を吸う反射行動を身につけていますから、赤ちゃんはお乳を飲むことができます。
赤ちゃんは、哺乳をする時、舌で乳首を、顎の凹みの所まで引き込んで来てから、お乳を吸います。平らな下顎の顎堤の上に、自分の舌をのせて、唇を乳首の周りに押し付けて、下顎を前後に動かします。すると舌が、波動の様に乳首を刺激して、お乳を吸うことができます。
哺乳期の赤ちゃんには、歯は邪魔になって仕舞います。上顎の歯茎の膨らみや、頬部の脂肪床と呼ばれる膨らみは、乳首を上顎と舌の間に密着しやすくして、お乳を吸う効率を良くしています。

2.顎の成長と変化

乳児期の顎の成長は著しく、特に生まれてから半年間の下顎の前方への成長は盛んです。
歯茎のアーチが大きくなり、高さも高くなってきます。
下顎の成長が激しいため、出生児には上顎に対して、下顎がかなり後に位置しています。
しかし、歯が生える頃には、上顎と下顎の歯茎が、丁度合わせる位置に変化してきます。

3. 乳歯の生え方

乳歯は、生後6〜7ヶ月頃に下顎の前歯から生えてくる事が多いです。
一般に永久歯でも乳歯でも、個人差が大きいです。
乳歯でも、生後3〜4ヶ月頃から、生え始める赤ちゃんもいます。
一方、1歳の誕生日前後に、生え始める赤ちゃんもいます。
また、どの歯から生えて来るかも、個人差が見られます。
一般的には、下顎の真ん中から、乳中切歯が生えてきますが、上顎から生えたり、乳中切歯では無く、乳側切歯が先に生えてくる事もあります。

4.赤ちゃんの唾液

赤ちゃんの唾液は、生後半年頃に増えて来ます。
その働きは、消化液としての働きと口腔環境を維持する働きがあります。
①化学的消化作用: 唾液アミラーゼがデンプンをマルトースまで分解します。
②咀嚼や嚥下の補助作用
③円滑作用: 発音や談話をスムーズにする
④溶媒作用: 味質を溶解し、味覚を促進する
⑤洗浄作用: 食物残渣を除去する
⑥抗菌作用: リゾチームやペルオキシダーゼ、ラクトフェリン、分泌型免疫抗体によって病原微生物に抵抗する
⑦ph緩衝作用

生後半年には、乳歯が生え始めてきます。また離乳食も始まり、指しゃぶりやおもちゃ遊び等も始まります。
何でも口に運ぶ時期がスタートし、口への様々な刺激が増えてきます。
この頃の赤ちゃんは、まだ上唇を使って、離乳食を取り込む事を、始めたばかりですから、唇を閉じることがうまく出来ません。
ですから、赤ちゃんは、溜まった唾液を口の中にとどめられず、外に流して仕舞います。
離乳の段階が徐々に進むに従って、唇を閉じれるようになり、また、溜まった唾液を、飲み込めるようになります

5. 前歯で遊べるようになる

生後1年を過ぎると.上顎に4本、下顎に4本、合計8本の前歯が揃ってきます。
今までは、口に運んだ物を、舐めるだけでしたが、歯が生えると、噛んで遊ぶようになります。
舐めただけでは分からない硬さや弾力性等を学ぶようになります。また、前歯での歯ぎしりもよく見られます。
これは、上下の前歯の位置関係や、噛み合う感触を確かめるためだと考えられています。大人の歯ぎしりと違って心配する必要はありません。
前歯で食べ物を噛み取ったり、噛み切ったりする練習をしていますから、むしろやってもらわないと困ります。

6. 奥歯が生える

生後1年が過ぎると、第1乳臼歯と言われる奥歯も生え始めます。
この歯が、上下に生えてくると、初めて、奥歯で噛み合わせる事が出来るようになります。
それまでは、前歯で噛み切る事しか出来ませんでしたが、今度は食物を噛み潰すことが出来るようになります。
奥歯の噛み合わせができると、上下の噛み合わせの高さが増し、口の中が拡がって来ます。
口の中が拡がると舌の動きが、より自由になり、可動範囲が広くなります。すると食べる機能も、発音機能も格段にアップします。

さて、次回は第13回目で「上手な哺乳と上手な離乳」についてお話しします。

院長:荒内