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妊娠と虫歯 ─妊娠期の歯と口腔内の特徴 5

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
春一番どころか、二番、三番と、強風の日が続いています。風に乗って、花粉も沢山飛散して来ました。
また、寒暖の差も激しいので、体調を崩されない様にお気を付け下さい。
さて、今日は院長先生のコラムです。
「妊娠と虫歯」についてです。
ご参考になさって下さい。

今回は「妊娠と虫歯」についてお話しします。

虫歯の原因

虫歯の原因について、前回よりも、もう少し詳しく説明したいと思います。
虫歯は歯に付着した細菌によって発生します。
歯の表面を爪楊枝で擦ると、白いものが取れます。これをプラック(プラーク)といいます。これが細菌の塊です。位相差顕微鏡で見ると、様々な細菌が見えます。プラックは、食べかすと違い、強くうがいしても取れません。
子供の頃に虫歯は「虫歯菌が、歯をパクパク食べる」から、虫歯になって穴があくと聞きました。
しかしダイヤモンドと同じ位固い歯を、パクパク食べるバイ菌がいるとは思えませんでした。
虫歯は、ミュータンスと呼ばれる細菌が、僕らが食べている食物の中にある糖を利用して酸を作り出します。
この酸が歯を溶かして、虫歯を形成します。初期の虫歯は、歯の表面を白く濁らせます。文字通り、透明感がなくなり「白濁」します。
この段階では、壊された歯のエナメル質構造を、自分の体が修復してくれます。再石灰化と言います。この段階を過ぎると自力で回復することは出来ません。しかし歯に穴があいていなければ、歯磨きで進行を食い止めることが出来ます。
以前は歯に黒色やこげ茶の筋が出来ると「進行しないように」と治療しましたが、現在では治療する事は、殆どありません。
ところで、虫歯に対しての防御についてお話しします。
口の中にある唾液が防御機構の中心です。
まず歯の表面に、細菌が付着しないように唾液が流れています。また唾液は、糖分も歯に付かない様に洗い流してくれます。
さらに唾液の中には、ph(ペーハー、ピーエッチ)を中性に保つために、重炭酸塩やリン酸塩が含まれています。勿論、抗菌作用もあります。リゾチームやラクトフェリン、ペルオシターゼ及び分泌型免疫抗体によって、病原微生物に対して抗菌作用を発揮しています。

妊娠時の歯磨きについて

次に妊娠時の歯磨きについてももう少し具体的にお話ししようと思います。
妊娠時に最初に気を付けなければならない事は、口腔内の歯や歯肉、粘膜の清掃だと言われています。
教科書的には、妊娠4ヶ月頃までにはつわり(悪阻)が終わるとありますが、実際に調査したら、とんでもないそうです。
妊娠3ヶ月では80%、3ヶ月以降でも、65%〜70%の妊婦さんが全妊娠期を通して、つわり(悪阻)があったと回答されたそうです。
つわりがある時の歯磨きについては、「妊娠と歯周病」の後で具体的にお伝えします。

妊娠時の間食について

次に妊娠時の間食についてお話しします。
おなかの中の赤ちゃんが大きくなってくると、消化器が押し上げられて圧迫されます。すると1度に食べる量が少なくなってきます。
妊婦さんのおよそ60%は、約7ヶ月まで1日1回の間食を取るそうです。
そして8ヶ月になると、約70%の妊婦さんは1日2回の間食を取る様になるそうです。また、味に関しては、妊娠初期の酸っぱい物ではなく、甘い食べ物や甘い飲み物を、約20%の妊婦さんが取るそうです。
また、妊娠6ヶ月以降では、約50%から70%の妊婦さんが、甘いものや甘い飲み物をとるようになるそうです。
以前「妊娠すると、酸っぱい物を食べたくなる」と言われていましたが、実際は甘いものを食べたくなる妊婦さんが多いようです。
妊娠してから甘いものが増えたと答えた妊婦さんが約29%と最も多く、酸っぱい物を欲しがる妊婦さんは殆どいなかったそうです。

妊娠中の生活習慣について

さて妊娠中の生活習慣についてお話しします。
妊娠すると殆どの妊婦さんが、つわり(悪阻)に襲われます。そうすると歯磨きが十分にできなくなります。また、間食が増えて、口の中が汚れてしまいます。間食は甘いものが増えるため、虫歯菌の餌が増えます。その結果、虫歯が発生しやすくなります。

つわりで大変だと思いますが、何とか頑張って、基本的な生活習慣を乱さない様にして下さい。

第6回目は「妊娠と歯周病」についてお話しします。
またつわりのときの歯磨きについて具体的な方法もお話します。

院長:荒内