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甘い物好きにしない育児

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
今日は、4月の半ばの陽気になる様です。暖かい日差しは嬉しいのですが、花粉の季節になるという恐ろしさもあります。
今回は熱田先生によるコラムです。
育児真っ最中のお母さんたちの参考になると思います。

【甘い物好きにしない育児】
赤ちゃんの好きな味は生きるために必要な味

赤ちゃんは味の中でも、甘味と旨味を特に好み、甘味や旨味を含んだ食品を喜んで食べます。赤ちゃんが甘い物や旨味成分を好むのは、甘味と旨味が生きていくために必要なエネルギーを持っているからなのです。

甘味の代表格は糖分ですが、糖分には脳や体にエネルギーを与え、活動を活発化させてくれます。旨味はアミノ酸で出来ています。アミノ酸はタンパク質を作るために必要な栄養素です。旨味を摂ることで内臓や血管、筋肉の発達を促す役割があるのです。
このように赤っちゃんが好む味付けというのは、赤ちゃんの体の成長に欠かせない極めて重要な物です。
甘い物好きにしないというのは、甘さの濃度の問題です。甘すぎる物を好きにしないという事です。
甘さの濃度
例えば、体にとってある程度必要な塩味でも、その嗜好濃度は0.8%位です。海水のような濃い塩味(2%位)ではしょっぱくて飲めません。しかし、砂糖に限っては100%の砂糖でも、美味しく食べられるのです。甘味は体の要求度が強いために、嗜好濃度が広く設定されているのです。
生まれて数時間の赤ちゃんでも、甘い液体を口にすると、顔がほころびます。母乳には乳糖という砂糖の1/5位の甘さの糖が、やく7%程入っています。ほんの少しの甘さですが、赤ちゃんにとっては大切な甘さです。
身の回りの食べ物の甘さを比べてみると、果物の甘味は10%位ですが、ジュースなどの飲み物は10%を越えます。プリンなどは15%位、クッキーやケーキは25~30%、カステラ、チョコレート、あんこなどは40~50%です。そして、飴などは90%です。果物やイモ類のような天然の甘さに比べて、砂糖を使ったお菓子はいくらでも甘味を濃くすることが出来るのが判ります。

繰り返しによるおいしさの形成

味の嗜好が繰り返しによって作られることは、前回、お話した通りです。ですから砂糖をたっぷり加えたお菓子をいつも食べていると、その甘みが好きになります。
特に子供は味の経験が少ないので本能的に持っている甘さ嗜好が強いのです。そのため、その時期に甘さの強い物を常時食べていると、どんどん濃い甘さの物が好きになってしまいます。
しかし、虫歯にならないように、甘い食べ物を子供に一切食べさせないことは、問題です。先にも書きましたように、糖分は子供の成長に欠かせない栄養素です。ただ、歯があってこそ食べ物は美味しく食べられるのです。ですので、歯のケアはとても大切なのです。
甘さの嗜好が強い子供の時期に、甘さ制限はストレスを与えます。しかし、与え過ぎは肥満、虫歯につながります。この加減が難しいですね。また、今は虫歯になりにくい糖や、エネルギーになりにくい糖も出ています。それらは確かに砂糖の持つ欠点を補う役割を持っていますが、嗜好的な甘みの好みの問題は解決しません。肥満や虫歯のリスクを考えると子供の時に高濃度の甘みは避けて、食物や果物に含まれる自然な甘みを中心にした食事を作ってあげることが大事ではないでしょうか。

甘い食べ物についてはここまでです。以降は番外編の少し気になる食べる事についてです。

子供は何故、野菜嫌いになりやすいのか?
子供にとって、野菜は食べにくい食べ物です。それは野菜の性質に、子供の好きな要素が少ないためです。
幼児期の嗜好は「生得的嗜好」の要素が強く、甘味や旨味、口当たりの滑らかなもの、を好みます。野菜は甘味がほとんど無く、少し苦い食べ物です。加えて、肉や魚と違い、旨味も少なく、繊維が多く硬いので口の中でモソモソする事が多いのです。
特に一番奥の第二乳臼歯がまだ生えていない2~3歳児は、レタスやホウレン草などを上手く噛み切れず、食べられない場合も多いものです。このように上手く食べられない事を、親が「嫌い」だから食べないと思い込み、食卓に出さなくなったりすると、食べる経験が積まれず、本当に嫌いになってしまう可能性もあります。
野菜料理の場合は、子供の嫌いな酸味をなるべく減らし、食べやすい大きさにしたり、少し軟らかめに茹でたり、煮たりして野菜の甘みを引き出す工夫が大切です。野菜サラダは子供にとって食べにくいのです。和風のお浸しのように、ゴマ和えなどのように甘味を加えた味付けにするなど「子供用の工夫」が必要なのです。

次回は「食卓の雰囲気も大切に」について書きたいと思います。

歯科医師:熱田