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幼児期の栄養と歯

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
毎日、寒いですね。日本海側の大雪は驚異的で、お住いの方々の大変さは、想像を絶するものだと思います。お怪我をされない様に、後数ヶ月をお過ごしいただきたいと願うばかりです。
本当に、春が待ち遠しいですね。
さて、今日は熱田先生のコラムです。

幼児期の栄養と歯

約3kgで生まれてくる赤ちゃんは、1歳で約10kg、6歳で約20㎏になります。この時期は第2次成長期と共に、人生の中で最も成長する時です。体が成長する時には同時に様々な機能や能力も発達します。この時に子供の体を大きくするものは、とりもなおさず食べ物のみです。
栄養、食べ方、食事の在り方など、幼児期の食事はその子の今と将来の為に本当にとても大切なものです。

噛み方、食べ方

▼噛み方、食べ方の発達
子供の体の機能の発達には、もちろん口の機能や、食べ方の機能の発達も含まれます。噛むことは呼吸するのとは違い、食べる経験の積み重ねによってはじめて上手にできる様になるのです。
おっぱいを吸う事しかできなかった赤ちゃんが、3歳くらいになると、乳歯がすべて生え揃い、スプーンも茶碗も完全に自分で持って食べる事が出来るようになります。
そこからが本当の意味での食事の自立へのスタートです。離乳食を終えるころは、奥歯の上下一対がようやく生える時期です。スプーンも上掴みの握りが何とかできる頃です。離乳の完了が食事の自立ではありません。子供達はその後一年以上かけて食事に慣れ、また、日常の食べ物に慣れていきます。
約3歳で乳歯が生え揃います。その後、虫歯が無ければ6歳くらいまで噛み合わせも比較的安定します。およそ3歳から6歳頃までは歯が生え変わりません。その為、この時期が、本格的な噛み方や食べ方の学習の時期になります。

▲歯と食物
赤ちゃんの歯が生えるのは約7~8カ月頃です。それから、約2年間をかけて、上下20本の乳歯が生え揃います。歯の生え変わり時期には個人差があります。3歳を過ぎてから奥歯が生えてくる子供もいます。
例えば、食べにくい食べ物は、レタスのような薄い葉物の野菜や、肉の薄切り、焼いていない食パンなどがあげられます。これらは大人には難なく食べられますが、子供さんにとっては食べにくい食品です。 これに対して、柔らかく煮た芋やニンジンなどは、歯ぐき(歯肉)だけで潰して食べる事が出来ます。レタスなどは決して硬い食べ物ではありませんが、歯ぐきでは切れません。ですから、少し茹でて、小さく切るなどの工夫が必要です。また、食パンも奥歯が生え揃うまでは噛み難い食品です。パンは表面が粗く、唾液でしっとりしやすいパンにする必要があります。

▼おいしい感覚
子供にとってはこの時期に、様々な味、口当たり、においの物を食べる事が大切です。何故ならば、それらの経験が全て積み重なるからです。食べ物からの刺激が脳に伝えられ、記憶されていきます。
おいしいと感じる感覚は、生まれながらに持っている生理的な嗜好を基本にしています。そこに、たくさんの経験が積み重なって形成されて行きます。おいしい感覚とは、食べても大丈夫という安心感の確認でもあります。ですから、慣れが大きいのです。国や文化によって、好まれる食物や味が著しく異なるのもそのためです。

▼口当たりに慣れる
口当たりも国や文化によって異なります。人間は哺乳類ですから液体の食べ物からスタートします。初めのうちは、滑らかな軟らかい食べ物のほうに安心感を持ちます。しかし、身の回りの食べ物は実にバリエーションに富んでいます。多くの食べ物の口当たりに慣れていくことが、それらのおいしさを知ることになります。
その上、硬さや粘りがある食べ物は、噛む機能の発達とも密接にかかわっています。そのため、硬い物や噛みごたえの大きな食べ物を食べる事によって、それらの噛み方を知り、覚える事になります。それは長い目で見ると、それらの嗜好性を高め、自分にとって快い食べ物の範囲を広げる事にもつながります。

今回はここまでにさせていただきます。次回は「甘い物好きにしない育児」について書かせていただきます。

歯科医師:熱田