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乳幼児の口の状態 4

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
11月も半ばを過ぎました。
街は、クリスマスへ向けての飾りが、少しずつ増えてきました。
当医院も、控え目に(?)飾り付けをしました。
さて、今日のコラムは熱田先生の【乳幼児の口の状態 4】です。

今回は乳児期から幼児期にかけての咀嚼機能の発達についてお話しさせていだだきたいと思います。

乳歯の萌出と咀嚼機能の発達

乳歯は最初に
① 下の前歯(乳中切歯)、2本が生後8ヶ月頃生え始める。
② 上の乳中切歯が生える。
③ 乳中切歯の横に乳側切歯が生える。
④ 下の乳側切歯が生える。

乳側切歯を含めた上下それぞれ4ずつ前歯の中で最も遅く生えるのが下の乳側切歯で、生える時期はおよそ1歳です。
噛む運動の発達に関係すると言われている奥歯(乳臼歯)ですが、最初に生える上の臼歯(第一乳臼歯)は1歳4〜5ヶ月で生え始め、上下の第一乳臼歯が生え揃うのは1歳8ヶ月頃です。

咀嚼リズムは主に臼歯歯根膜にある圧受容体からの刺激が脳に送られて咀嚼の力や回数が調節され、上下の奥歯が噛み合うことで獲得されて行きます。
歯が生え始めてから反対の歯と噛み合うようになるまで数ヶ月かかります。第一乳臼歯が噛む機能を営むようになるのは約1歳8ヶ月以降になります。乳臼歯の1番奥の下の臼歯(第二乳臼歯)は、2歳3〜6ヶ月で生え始め、2歳9ヶ月頃上下が生え揃います。従って幼児が大人に近い咀嚼機能を獲得するのはおよそは3歳過ぎ頃です。

 乳歯の萌出と咀嚼機能の発達

初期の吸う行動は反射によるものです。この時、口唇や顎の動きは顕著でなく舌が活発に動きます。乳児の発達と共に、哺乳の為の反射は徐々に滅弱し、生後4〜6ヶ月頃で消失します。この頃、下の挺出反射もなくなる為、スプーンからの食べ物の取り込みが可能になり、離乳が開始されます。

乳切歯が生え始める頃には、歯を支える骨(歯槽骨)の成長も著しく、顎のアーチ(歯が生える場所)が広がると共に高さも増すため、舌が口の中に納まって動きやすくなります。上下の乳切歯が生えてくると、口唇と舌の動きが分離するようになり、舌で食べ物を押しつぶすことが出来るようになります。1歳頃には奥歯が生える為に歯茎が膨らんできます。膨らんでくると、奥の歯茎で食べ物を押しつぶすことが出来るようになります。その為、咀嚼の基本的な動きが獲得されていきます。
歯茎で潰せるようになると、柔らかいものが食べられるようになり、手づかみで食べ物を口に持って行ったり、上下8本が揃った乳前歯で噛み切る事が出来るようになります。

① 1歳前後には第一乳臼歯が生え始める為、奥歯を使った噛む動きが出てきます。1歳8ヶ月頃には上下の第一乳臼歯の噛み合わせが出来上がり、嚙み潰しも上達しますが、すり潰しはうまくできません。

② 2歳過ぎには、第二乳臼歯が生え始め、2歳半過ぎには上下が噛み合い、乳歯列の噛み合わせが完了します。

第二乳臼歯が噛み合う事により、食べ物のすり潰しが可能になります。食べ物の大きさ、硬さの情報は、主に臼歯根膜にある圧受容器から能に送られ咀嚼の力や回数が調節されます。上下の奥歯が噛み合う事で大人に近い咀嚼リズムが獲得され、硬さのある物も食べられるようになるのです。

歯の生える時期と幼児食

離乳完了の頃から、歯を使った咀嚼機能が発達します。この頃には、形はあるが軟らかい食品、例えばおでんの大根や煮込みハンバーグなどを与える事が出来るようになります。
上下の第一乳臼歯が生え揃ったら、嚙み潰しが出来るので、それほど硬くない食品、例えば卵焼きやコロッケなどが食べられます。
噛みにくい食品、例えば餅、タコ、コンニャク、油揚げなどの食材や、とんかつ、ステーキのような料理は3歳過ぎまでは控えるようにします。このような食品でも調理を工夫して噛み潰せる軟らかさにすれば食べさせても良いと思います。

幼児期は子供の咀嚼機能と食習慣を育てるのに重要な時期であるので、食物の硬さだけでなく色々な種類の食品を工夫して調理し、味覚が豊かで楽しく食べる子の基礎を育てることが重要です。
離乳食完了は1歳5ヶ月頃といわれてあますが、大人のように硬いものがうまく噛めるのは3歳過ぎです。

幼児期は子供の咀嚼機能と食習慣を育てるのに重要な時期です。
そこで歯の生える時期と幼児食の進め方に関して次のような注意が必要です。

1. 上下の奥歯(第一乳臼歯)が生え揃う前に硬い食物を与えると、噛まない、丸呑みをする、硬いものが嫌い、偏食がある、などの子供に育つことがあります。丸呑みで食べる子供は過食しやすく、肥満の原因になるとも言われています。

2. 幼児食は歯の生え方、ことに奥歯(第一乳臼歯)の生え方を見ながら食材を選びましょう。調理を工夫して食べられる料理を増やしていきましょう。

3. 幼児期は子供の咀嚼機能と食習慣を、育てるのに大切な時期です。お母さんや家族と一緒に楽しく食べるとよく噛んで、味わって食べる子に育つ基となります。色々な種類の食品を工夫して調理し、味覚の豊かな、楽しく食べる子に育てましょう。
これが食育の第一歩となります。

次回は「言葉と話す機能の発達」についてお話ししたいと思います。

歯科医師: 熱田