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抜歯後の腫れの対処法 ─緊急時の対応 22

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
寒暖の差が激しいですが、いかがお過ごしですか?
日差しがあっても、日陰に入ると肌寒くなりますので、上着を一枚お持ちになって、体調を崩さない様に気をつけたいです。
さて、今日は院長先生のコラムです。

抜歯後の腫れの対処法についてお話しします。

腫れの原因

腫れの原因は、炎症、嚢胞、埋伏歯、うっ血、動脈瘤、肥大気腫、限局性浮腫、増殖、出血等が上げられます。
これらの原因のうち、抜歯後に起こる腫れは、炎症による腫れが主ですから、炎症性の腫脹についてお話しします。

炎症性の腫脹

炎症性の腫脹は、毛細血管から白血球やリンパ球等の液体や細胞、つまり有形物質が病巣部に滲潤して腫脹を起こします。リンパ球の中で好中球(白血球の一つ)が炎症を治す為に重要な役割を担っています。
炎症によって腫れた時に固いのは、好中球の密集によります。又、膿汁は細菌や好中球の死骸が主な成分です。
もう一つ、線維芽細胞、網内細胞、組織球などの細胞増殖があり、その結果として細胞間物質、例えば膠原線維(コラーゲン)、細網線維、神経線維等の増殖がおこります、即ち炎症性の腫脹には、「細胞浸潤」と「増殖」「浮腫」の3つの要因があげられます。

ここで極めて重要なのは、腫脹が腫瘍による場合である腫脹には、黒子やイボの様に良性のものと、癌や肉腫の様な悪性のものがあります。
良性腫瘍は、周囲の組織を圧排しながら増殖する拡張性発育をします。
悪性腫瘍は、周囲の組織や細胞間に浸潤しながら広がる浸潤性発育をします。
良性腫瘍は、その部位や大きさによって治療をしますが、それ以外は放置しても構いません。
ただし、黒子等の良性腫瘍が悪性腫瘍に変わる事があります。黒子の境界線がにじむ様に不明瞭になったり、色が変わったり、急速に大きくなったり、盛り上がったりしたら、必ず皮膚科を受診されて下さい。

抜歯後の腫脹

さて、話を抜歯後の腫脹に戻します。
抜歯する部位や難しさの程度によって異なりますが、一般的に乳歯の普通抜歯や動揺歯の抜歯では、腫れはほとんど起こりません。
最近は時々乳歯の抜歯後に、子供のお母さんが「歯を抜いたら、ものすごく痛がってるし、腫れてしまった」と、訴えて来る事があります。見てみると、特に腫れてもいませんし、痛みが出るほどの傷ではありません。このお母さんは、モンスターペアレントでもクレーマーでもありません。心配のあまり子供さんに何度も痛くないか、腫れてないか聞いてしまいます。その内お子さんも不安になって、痛いとか腫れているとかいう事があります。

一方、埋伏歯(歯肉や骨に埋まっている歯)や智歯歯周炎の抜歯(炎症のある親不知)では、術後腫れる事があります。
抜歯当日から少しずつ腫れてきます。2〜4日後がピークで、その後徐々に腫れは減少し、約1週間〜10日後に殆ど治ってきます。
抜歯後の炎症の対処法としては、第1に安静にして、睡眠を充分に取る事が必要です。第2に、薬の服用です。処方された化膿止め(抗生剤)や痛み止め(鎮痛剤)を飲んで下さい。

腫れ止め(薬)の保険適用

今年から、腫れ止め(消炎剤)の使用は保険適用はされなくなりました。理由は、薬効が疑われた為です。海外での使用は殆ど皆無です。
化膿止めに腫れを止める効果があると考えられています。処方された薬を、指示通り、必ず服用する事が大事です。その他の対処としては、飲酒、熱いお風呂、運動は控えて頂いて、充分な睡眠と休養をとり、安静にしてほしいです。

冷やす事も大事

又、冷やす事も大事です。腫れた所を氷で冷やすよりも、タオルを水で濡らし、しぼってあててください。
もし、縫合された場合、縫合部から血がにじんでいる時は腫れても大したことはありません。しかし、全く出血がない時は、腫れがひどくなる事があります。
腫れているだけでしたら、前述の様な対処をして頂ければ大丈夫ですが、もし、口が開かなかったり、食事がしにくかったら、歯科医院を受診なさって下さい。

次回は、抜歯後の開口障害についてお話します。
ご期待下さい。

院長:荒内