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真の健康を求めていけば口も健康になる 4

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
今日は熱田先生のコラムです。

ゴールデンウィークも終わり、皆様、かいかがお過ごしでしたか?連休に入ると昼間の気温も上がり、東西線などは冷房が入る時もありました。 車中で寝る習慣の私は寒くて風邪をひいてしまいました。遊び疲れている方もいらっしゃるかと思います。もう祝日は7月までありません。週末は体調を整えて残りの5月を乗り切りましょう。
それでは、前回の続きを書いていきたいと思います。

乳白歯が生えて噛み合う2歳以降、多くの食品を噛んで食べられるようになります。いろいろな食品を食べることによる味覚の経験と形や硬さなどの食品の物性などを含めた食品の「味」を記憶します。出来るだけ食品の幅を広げられるような配慮が必要となります。そして、歯が噛み合うまでの乳児期の離乳期の発達を促す事が大切です。
今回は離乳期の月例別の食事の取り方と離乳期の口腔機能の発達について書いていきたいと思います。

離乳の上手な進め方

それまでの母乳やミルクと違い、「食物を食べる」という行為の最初の食物が離乳食です。離乳期を通して量を多く食べさせようとせずに、食べる働きを促すように進めていくことが上手な離乳の進め方です。その為に、離乳期を大よその月齢で区切り各時期における離乳の進め方と食べ方の発達に合わせた離乳食の調理形態の関連を見ていこうと思います。

離乳移行へのサイン

生後4ヶ月頃になると手でおもちゃを握る事が出来るようになります。おもちゃしゃぶりが頻繁に見られます。硬さや大きさの異なるおもちゃが、口やその周辺に触れる頻度が多くなるにつれて、口でおもちゃをくわえたままで舌をおもちゃの脇から出したり、唇が上下するなど、舌、口唇、下顎などが自分の意思で動かす事が出来るようになります。外から口の中に入ってくる「物」を触覚などによって認知し、その「物」に働きかけるように反応して、自らの意志で動かす「口遊び」は離乳への移行のサインです。
厳密な離乳の開始時期の目安はありません。口腔の機能面では、ゆっくり5〜6ヶ月頃から初めて十分です。

口の動き、食べさせ方に合わせた離乳食の作り方、与え方。

離乳期は、歯のない口から前歯が生え揃う口へと、口の成長変化が著しい時期です。歯の生え方や動きの変化に気付くことで食べさせ方を変えていきます。離乳食の調理形態、食事介助の仕方、使用する食具、食器などを合わせていく事が発達を促します。

5〜6ヶ月頃

離乳食を始めた頃は、顎の開閉に合わせる様に舌を出してくる事が多いのですが、徐々に減少して下唇が内側に入り込む様にして嚥下する動きが見られる様になります。暫くすると、上下口唇を閉鎖しながらスプーン上の離乳食を上唇で擦り取る様にして捕食(口の中に摂りこむ)する事が出来る様になります。
自分の意志で口を閉じて、嚥下と捕食の機能が獲得されます。この様な動きを促す介助は、下唇正中部の赤唇上に金具(スプーン)を乗せて口唇が閉鎖してからスプーンを引き抜くようにした与え方です。
この捕食の介助は、離乳初期だけでなく発達期全般に必要となります。この食べ方は、生涯に渡って使われていきます。
離乳食は、塊のない滑らかにすりつぶしたトロトロ状(10倍に薄めたお粥のご飯をつぶしたもの)から離乳が進み、飲み込みが上手になるにつれて水分を少しずつ少なくして、ペースト状(ほうれん草を茹でてみじん切りにし裏ごしした物を湯でのばす)にしていきます。子供の状態を観ながら1日一回、ひと匙ずつ始めます。母乳やミルクは飲みたいだけ与えます。

7〜8が月頃

軟固形(例:7倍粥のご飯粒をつぶしたもの)の離乳食を、舌前方部と口蓋すうへきぶ(上前歯の裏のすぐ上の口蓋部分の凸凹している部分)の間で押しつぶす動きが見られるようになります。その動きや様子を観察すると、口角部(口の端)の水平方向への動きと、それと共に赤唇部が扁平になるのが見られます。
食べさせ方の介助では、口の中で形のある柔らかい食品(茹でて細かく刻んだもの)の大きさや硬さなどの食物の物性が感知しやすく、柔らかな固形物をつぶす動きを引き出せるよう、口を閉じた時に舌の前方部に食物が取り込めるように介助します。
特に口を大きく開いた時に、舌の中央や奥側に食べ物を入れ込まないよう注意が必要です。
離乳食は指でつまむと簡単に潰れるような柔らかさ(例:絹ごし豆腐の茹でたもの)の固形食が適当です。最初は、舌で潰された食物が口の中でバラバラになって飲み込みづらいために、あんかけなどのとろみ付けや舌触りを楽しめる様に食品の種類を増やしていきます。
離乳食を作るのは手間もかかり大変ですね。皆さまご存知と思いますが、ネットで離乳食の作り方と保存方法などが紹介されています。参考になさってくださいね。

9〜11ヶ月

赤ちゃん(乳児)が9〜11ヶ月位になると奥歯に相当する歯肉(茎)で軟らかい食物を磨り潰すようになります。軟らかい食物を磨り潰す動作を詳細にみると、奥の歯茎の上の食物を舌の側縁と頬の内側の粘膜で保持しながら、下顎の側方運動(臼磨運動)によって、その食品を磨り潰します。この一連の動きを、外から観察すると口角の特徴的な動きとして見ることが出来ます。唇を閉じて顎を左右に動かします。
また、“手づかみ食べ”が始まります。これは種々の食物の形や物性の感覚を覚えるためにとても大切な事です。手の平や指で掴む事によって食物の形や物性を覚えていきますから「手掴み」を止めないでください。
離乳食は奥の歯茎で潰せるかたさ程度が適当となります。目安としては、指で潰すことができる程度の硬さです(例えば5倍に希釈した粥やバナナ位の硬さ)。前歯は、生えてきますが、奥歯は一歳半位にならないと生えてきません。生えても上下の歯はかみあいません。かたくなりすぎたり、繊維が強い食物は潰すことが出来ないため、丸飲みする事もしばしばです。固形食物を丸飲みする悪癖を防ぐ面からも食物の硬さに注意する必要があります。食事のリズムも大切です。1日3食が一般的です。家族一緒の楽しい食卓を経験させるのも重要です。

12〜18ヶ月(離乳の完了)頃

この時期の最初の頃は、食物を持った手に顔と口を近づける時、頭部の回錠の動きが見られます。次第に回錠が無くなり顔が正面を向いたままで手と協調出来るようになります。
正面を向いて唇の中央部から手掴みした食品を口の中に取り込めるようになります。
又、指も最初の頃は口の中に入りますが、一歳半頃には唇の位置までで止まり、指は入らずに大きなものは前歯で噛み切って取り込めるようになります。自分で食べる動きが活発になります。赤ちゃんは、最初は食べ物を口に詰め込み過ぎて噛めなかったり、食べこぼしたり、飲み込めなかったりします。そうして自分の一口量を理解していきます。多少汚れても発達に必要ですから、大らかに見守って“手掴み食べ”を止めさせないようにします。このような食べ方は、前歯による噛み取る機会が多くなるため、食物の硬さによって、歯が受ける感覚が異なります。その感覚を基にして、噛む力の強弱が出来てきます。一口量を決めるための一つの要素となります。
食物の形態や硬さは、奥歯が生えていないか、生えていても上下の歯がしっかり噛みあっているかどうか等、奥歯の状態を見ながら選択する必要があります。また、“手づかみ食べ”で機能発達が促される時期ですので、野菜や果物は手に持てるように大きさや形を工夫して食べさせるようにします。

離乳期の口の管理

口の中に乳汁だけしか入ってこなかった時に比べて、離乳期には種々の食品が口に入るようになります。離乳期でも5〜6ヶ月の頃は食物の種類も少なく、ペースト状の離乳食がほとんどです。離乳食の後の乳汁で口の中はきれいになりますが、7〜8ヶ月頃からは離乳食も軟固形となり、潰された離乳食の一部が奥の歯茎と頬の間に残ろことがあります。ガーゼなどで優しく拭ってあげると良いでしょう。

やがて上の前歯が生えてきますが、すぐに歯ブラシでゴシゴシ磨く事は避けて、赤ちゃん用の歯ブラシを口に入れて遊ばせることから始めます。慣れるまでの時期には個人差がありますが、この間の歯の掃除は手慣れたガーゼを用います。
歯ブラシに慣れてきたら、歯ブラシで遊ばせた後に、お母さんの膝の上に頭を乗せて寝かせて、優しく話しかけながら磨いてあげます。前歯や歯の周りの歯茎は、体の中でも非常に敏感な場所です。少しずつ慣れさせながら歯磨きを進めることが大切です。

親の使った箸やスプーンで離乳食をあげて大丈夫か?

親の使った食具や食器で離乳食をあげると、親の口腔内の細菌が移り虫歯などの悪影響が出ないかと心配されるお母さん達が多いと思われます。歯や歯茎の病気の大半は、口の中に住みついた細菌(常在細菌)が原因となります。口には多くの種類の細菌が住み着いていますが、その構成や活性 は個々によって異なります。誰かの細菌に感染しながら自身の口の中の常在細菌が定着していきます。
そこで、離乳食などを与える前に親の口を清潔に保つことが大切です。虫歯などがある場合には早めに治療を済ませましょう。毎日の口腔衛生習慣がしっかりなされていれば、ほとんど問題ないと言って良いと思います。それから、食器や食具を清潔に保つことは言うまでもありません。

お母さん頑張って!

次回はバブバフ、ウマウマ(喃語)と言葉の発達について書いていきたいと思います。

歯科医師:熱田