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歯の周囲からの出血が止まらない時 ─緊急時の対応⑧

著者:デンタルオフィス湊

こんにちは。
ずいぶん気温が下がりましたね。
院長の荒内です。
今回は緊急時の対応の第8回目です。
「歯の周囲からの出血が止まらない時」についてお話ししたいと思います。

まず、出血の原因ですが、大きく分けて、歯周病によるもの、外傷によるもの、全身疾患によるものが、考えられます。
死肉は血管が多いので、食べ物などによる刺激で簡単に出血しますを
また、口の中は常に唾液が粘膜表面を流れているため、止血しにくいのです。
出血すると、唾液が血に混じるため、多量の出血と間違えることがよくあります。
ある患者さんは抜歯後、帰宅されてから電話で、「先生、俺は死ぬかもしれない。もうバケツ一杯くらい血が出た」と言われました。
ご家族の方々もパニック状態になっていましたので、「抜歯後の注意事項」を読むように言っても、なかなかわかってもらえず、苦労したことがありました。

さて、それぞれの原因ごとに対処法をご説明したいと思います。

①歯周病による出血の場合(歯槽膿漏)歯周病が、原因の出血は、自然に止血することがほとんどです。
しかし放置すると、歯周病が悪化して、突然腫れたり、膿が出たり、痛んだりします。
そしてついには歯が抜けてしまいます。
止血したから大丈夫だと思わず、歯科の受診をおすすめします。
歯周病の特徴は、歯肉の発赤・腫脹、強い口臭、歯の動揺などです。
止血部位は歯肉の辺縁、特に歯と歯の間にある歯肉(歯間乳頭)からの出血が多く見られます。
出血の原因が歯周病ですから、歯科医院で歯垢・歯石の除去やブラッシング、補助清掃器具(フロスや歯間ブラシなど)の使い方を教わってください。

②外傷による出血の場合
歯肉に外傷を受けて出血したとき、傷が歯肉だけに限局している小さな傷なら、ガーゼを押し当てて5-10分間、圧迫するだけで止血できます。
しかし、いずれの場合でも、全身疾患があるときやその治療薬によっては、なかなか止血できないことがあります。
全身疾患がある方や薬を飲んでる方は、主治医もしくは歯科医に相談してください。
また、湧き出るような出血や拍動性の出血があるときは、顎の骨が折れたり、血管が損傷している可能性がありますから、傷口をガーゼ等で圧迫して、直ちに歯科医院を受診してください。

③全身疾患による出血の場合
全身疾患による出血でいちばん問題になるのは、再生不良性貧血、白血病、紫斑病、血友病などの血液疾患です。
このような疾患による出血は、なんとなく流れるような出血が続き、自然に止血することはないと言われています。
急性白血病の場合、初発症状は歯肉縁からの出血が多いようです。
2、3日このような出血があるときは、直ちに大学病院を受診してください。

次回は「歯が痛むときの対処法」についてお話しする予定です。
なお、止血の機序については、第5回の「口の中が切れたときの対処法」に書いてあります。

院長:荒内