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小帯 ─緊急時の対応⑥

著者:デンタルオフィス湊

蒸し暑い日と雨の日が交互にやってきますね。
早く梅雨明けしてほしいものです。
院長の荒内です。

第6回目は、小帯についてお話します。
前回は口の中が切れたときについてお話しましたが、今回は、歯磨きに対しても関係しますので、別の項目にしました。

小帯とは

まず、「小帯」について説明したいと思います。
小帯とは、口唇、頬、および舌粘膜が歯肉または歯槽粘膜へ移行する部分に見られる縦走のヒダのことを言います。
口唇では、上下の正中部(上唇小帯、下唇小帯)に各1本ずつあります。
頬では、上下左右の各第1大臼歯付近に1-3本(頬小帯)あります。
舌では、舌下面正中から、口腔底粘膜にかけて1本(舌小帯)見られます。
小帯は各粘膜と顎骨を結ぶ結合組織のヒダであり、嚥下や咀嚼によって移動します。
このため、義歯の作成においては、小帯の可動範囲を避け、床縁の設定に十分な注意が必要です。
また、小帯の位置が歯に近ければ、歯磨きをするときに邪魔になります。
横磨きやフォーズ法(描円法)で傷つけることもあります。
お母さん方は、子どもさんの小帯の位置をしっかり見て、付着位置が悪ければ、歯科医に診てもらってください。
小帯が歯に近ければ、歯肉を根尖の方に引っ張ることもあります。
つまり、歯肉が退縮して、歯の根が露出しやすくなることも時々見られます。
成人の場合、小帯の付着位置が歯と歯肉の境い目から約5mm以上離れていれば、ほぼ大丈夫です。
帯や舌小帯の付け根は、乳児の時は、前歯のすぐ近くにありますが、発育とともに上唇小帯や舌小帯の付け根は、前肢から離れるように後退していきます。
小帯は発育とともにその位置や形、大きさが変わっていきます。
従って幼児期に小帯が短くても、小帯切除することはほとんどありません。
しかしながら、もし小帯がブラッシングの妨げになったり、付着歯肉(歯の近くにある固い歯肉)を根尖方向に引っ張ったりしている場合は、小帯の位置を齦頬移行部(ぎんきょういこうぶ)に移動する必要があります。
また、上唇小帯が中切歯の間にあって、歯間分離を起こしたり、舌小帯が発音障害や下顎の前肢を適正な位置に保持できなかったり、下顎の切歯で小帯を傷つけてしまうときは、小帯の切除を行います。

小帯が切れたときの対処法

次に、小帯が切れたときの対処法について説明してこの項を終わりにしたいと思います。

小児期には、転倒によって、上顎前歯部を打撲することがよくあります。
もし上唇小帯が切れたら、第一に口腔外から患部を指で5分間の圧迫してください。
かなりの出血があっても、あわてず焦らず、まずは、上唇部を圧迫して止血することが大事です。
5分間の圧迫でも止血しない場合は、さらに10分間、圧迫してください。
止血後、オキシフルなどで消毒をしておくといいでしょう。
その後、歯の脱臼や歯槽骨の骨折がないか、歯科医院で見てもらってください。
次に舌小帯についてですが、舌小帯が短いかどうかを調べるには、舌を前方に突き出してみるとわかります。突き出したとき、舌尖がへこんでハート型になるようでしたら、舌小帯が短いことを意味します。
あるいは、舌打ちをして、音が出ないとか、舌打ちそのものができないときは、舌小帯が短いと考えられます。
転倒などで舌小帯が切れるときは、舌を噛んでることが多く、かなりの出血が見られます。
このようなときは、清潔なガーゼで舌を圧迫して、すぐに歯科医院を受診してください。
次回は口腔内をやけどしたときについてお話します。

院長:荒内