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乳児期の口の手入れ(管理)1

著者:デンタルオフィス湊

おはようございます。
昨日は、夏本番のような日差しでした。今朝は、その割に暑くないですね。でも、油断しないで熱中症に気を付けて、定期的に意識して水分補給に心がけたいものです。
さて、今日は熱田先生のコラムです。子育て中の方にご参考になればと思います。梅雨に入りましたが関東の水瓶は増えていないようです。夏の水不足が心配ですね。大分、湿度も上がり不快指数も上がっています。
建物や電車もエアコンが入っています。私は地下鉄で通っています。最初は気持よいのですが、段々と体が冷えて寒くなってきます。周りを見ると女性客に長袖の毛糸!や綿素材のカーデガンを着ている人が見受けられます。皆さん「冷え対策」をしているようです。
また、自前の水筒やペットボトルの飲み物で熱中症対策をしている方も見かけます。体調管理、しっかりやって猛暑を乗る切って行きましょう!まだまだこれからが夏本番ですから。

乳児期とむし歯

今回は離乳食の所でも少し触れた「口の手入れについて」です。
出生から一歳半までの乳児の全身的な発達は目覚ましい物です。同時に食べる事(摂食)やしゃべる事(言語)など、口を使ってなされる機能も、その基礎となる発達がこの時期に起こります。
一生、虫歯になりにくくするには、3歳まで、虫歯菌を感染させない事が重要です。つまり誰かが使った箸やスプーン等を絶対、赤ちゃんの口の中に入れてはいけません。口移しや噛んで含ませるなど言語道断です。
3歳までに口内フローラを形成させるとその後、虫歯菌が侵入してきても、口の中で増える事が、ほぼ出来なくなります。つまり、殆ど虫歯にかかりにくくなります。
摂食の面では、母乳やミルクの乳汁だけで栄養を摂っていた哺乳期から、固形食への移行期である離乳期を経て、3食の固形食で大部分の栄養を摂れるようになる幼児食期まで進みます。
言語の面ではアーアー、ウーという意味を持たない喃語の時期から、ママ、マンマというような単語であっても、一応コミュニケーション手段としての言語を発するまでに発達します。このような機能の発達に対応して、口の中も乳歯が生えてきたリ、あご、(顎)や歯列が大きくなり、口全体の容積も広がるというように変化します。
この時期の前半は、まだ歯が生えていないため、歯磨きなどの手入れは不要です。また、下の前歯だけの時期なら、唾液が常に歯の表面をきれいにしてくれます。
しかし、1歳を過ぎて上の前歯が生え揃い、奥歯が生えてくる頃になると、子供の口の中に虫歯(齲蝕=うしょく)の原因菌が定着しやすくなり、歯についた汚れ(歯垢)も唾液では取り除きにくくなるため、歯磨きの必要性が出て来ます。
ところが、奥歯が生えたからといって急に歯磨きを始めも、なかなかきちんと磨けるものではなく、また歯磨きの習慣も一朝一夕で身につくものではありません。歯磨きなどの口の手入れを上手に子供に身につけさせるためには、準備段階を含めてスッテプをふんだアプローチが必要でしょう。
一歳までに虫歯ができる子は非常に少ないのですが、一歳を過ぎて上の前歯が揃ってくると、虫歯になる子が徐々に増えてきます。地域や年度によって差はみられますが、一歳6カ月児歯科健診で虫歯の認められる子は、2~5%程度です。この時期の虫歯は上の前歯に見られることが多く、歯磨きより食生活との関連が深い事が知られています。
就寝時の哺乳習慣の継続や甘味飲料、スポーツ飲料を哺乳瓶で与える事などが、虫歯の原因となりやすいようです。この時期の口の健康を守るためには、より良い食習慣と歯磨き習慣を、子供に身につけさせることが重要となります。
そこで、口の発育時期に合わせた習慣形成や手入れの方法について考えてみましょう。

乳歯が生えるまで(出生から生後6カ月まで)

歯の無い時期、すなわち無歯期(むしき)は、哺乳が主体の時期です。哺乳は出生時に乳児がすでに身につけている反射よってなされる行為ですが、この時期の口の形は、上下の顎の位置関係や口蓋(上あごの歯列の内側の部分)に窪みがあることなど、乳首や哺乳瓶からミルクを吸うのに適した形をしています。また、歯の無い事も、舌が乳首をとらえて母乳を吸う時に自由に動くのを邪魔しないという点で、哺乳に適しています。
歯の無い時期
歯の無いこの時期の口には、母乳やミルクが長時間たまっていることもありませんし、授乳後の乳の残りは唾液とともに飲み込まれて自然にきれいになります。
時々、舌苔といって、舌の表面に白い苔状(こけじょう)のものが付くことがありますが、これは乳児期の一時的なものなら無理に取り除かなくてよいでしょう。
熱が出た後やお腹を壊した後に褐色の厚い舌苔が付いている時は、湿らせたガーゼなどで清拭してあげましょう。
乳児は人や物とかかわりながら発達していくものですが、胎児でも口への刺激に対する反応は最も早期に発達し、胎生8週頃から見られるという報告もありますが、乳児では、まず出生直後から乳首の感覚を受け入れて乳を吸うという反射行動が生じます。
次に自分の手や指、衣類やタオルを口に持ってきて、なめたり、しゃぶったりするようになります。物がつかめるようになると身の回りのおもちゃに手を伸ばして口に持ってきて、なめたりしゃぶったりして遊ぶようになります。
このような様々な口への感覚刺激は、口の周りの過敏さを減少させたり、哺乳時の反射を消退させることにもつながります。離乳への準備や歯ブラシの導入を容易にするという面でも重要なものです。

次回から歯が生える時期からの口の手入れについて書いていきたいと思います。

歯科医師:熱田